エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】松井玲奈の挫折と葛藤 女優・作家・YouTuberと前進しながらも「置物やロボットではない」

松井からいじられたこともあった。福田雄一監督は2016年7月に舞台『新・幕末純情伝』を観劇して「凄い女優になるよ、玲奈さんは! 映像のみならず舞台でもガンガン上がっていくよ!」と絶賛しつつ「そして俺の仕事はやってくれなくなるよ、きっと!」とツイートしており、『新・幕末純情伝』で松井と共演した石田明NON STYLE)は千秋楽を終えてブログで「いつも助けてくれてありがとう。ちゃんと心でぶつかりあってくれてありがとう…座長に支えてもらいました。松井玲奈に癒されました」とメッセージを送っていた。

アイドル時代からのファンが、舞台で頑張る松井玲奈を見ようと足を運ぶことも少なくない。松井が4人芝居に挑戦した舞台『ベター・ハーフ』(2017年)の上演期間中にTwitterで「観劇が慣れていない方に。観劇の際は必ず、必ず! 携帯の電源をお切りください。私語や音にお気をつけを。(面白いと思ったら笑っても大丈夫です)物語が終わった時、声の代わりに気持ちの分だけ大きな拍手をいただけたら嬉しいです」とツイートしたところ、同舞台の作・演出を手掛けた鴻上尚史氏がRTして「こういう発言は本当に嬉しいです」と感激していた。その頃、松井は2018年10月発売の『小説すばる』(2018年11月号)で小説家デビューを果たし、2019年4月に短編集『カモフラージュ』(集英社)を出版した。鴻上氏は「松井玲奈短編小説集『カモフラージュ』を読んだ。いやあ、唸った。たいしたもんだ…」と各短編作品に触れてから「小説家じゃんか」と称賛した。

今年1月には恋愛小説集『累々』(集英社)を発売した松井だが、半年以上過ぎた9月17日にTwitterで「置物やロボットではない。私は人間だと理解してもらいたいと思っている。ずっと」とつぶやいた。投稿の真意は分からないが同日発売の『小説トリッパー 2021年秋号』(朝日新聞出版)から松井玲奈の新連載エッセイ『私のもしも図鑑』が始まり、自身のインスタグラムで「初回は30歳を迎えるにあたりよく聞かれた質問から、もしもの自分を紐解いてみました。エッセイは自分と向き合い、新しい発見をもたらしてくれるのでとても楽しいです」と紹介している。

女優のみならず作家としても成長を続ける松井玲奈は、YouTuberとしても意欲的だ。9月18日にはTwitterで「動画のサムネですが、どっちが見たいと思いますか?」と呼びかけて「ラピュタパン食べる」か「30歳オタク女性の日常」で2択アンケートを行い、ファンが「ABテストを仕掛ける女優 AB女優」などとコメントを寄せて和んでいた。アンケート結果を受けてYouTubeでアップした『【日常vlog】手作り食パンでラピュタパンを作るなどする、30歳女性オタクの日常【松井玲奈】』には動画についての感想だけでなく「松井さんはアイドルで唯一好きやったな~ 微力ながら今も応援させてもらってます!」、「累々、あなたの文章は本当に良いですね! 演劇的にも、すごくいいですよ! がんばって続けて」などの反響があった。

松井玲奈が女優のおもしろさを知ったのは、2010年に放送されたAKB48グループを中心とするドラマ『マジすか学園』(テレビ東京)で演じた少年院帰りのヤンキー高校生・ゲキカラ役ではないだろうか。保志総一朗が「こんな芝居おれは出来ん思ってビビって見てたよ。尊敬する。マジすごかった」とツイートしたのをはじめ、Twitter上では、SKE48の松井玲奈を知って女性アイドルにハマったというファンが「今や女優さんだけど、ほんとに努力家でコンプレックスもバネにしてしまうところは今でも尊敬してる」と明かせば、「松井玲奈さんの小説はまず失礼な話で恐縮ながら本人ありきで読んでしまうんだけど、いつも良い意味で期待を裏切ってくれて表に見える以上に知見や人生が深くて尊敬しちゃう」というような声が見受けられる。様々なジャンルで活躍する松井の姿に勇気をもらい「尊敬」に繋がっているのかもしれない。

NHK連続テレビ小説『まんぷく』(2018年)に『エール』(2020年)そしてフジ月9ドラマ『海月姫』(2018年)などでいろいろなキャラをこなす松井だが、『マジすか学園』で培った悪役キャラは『ブラックスキャンダル』(読売テレビ・2018年)さらに『プロミス・シンデレラ』と昇華されていった。Twitter上ではフジテレビ系ドラマ『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』(2015年10月期)の橘カラ役など悪女キャラで人気を博した菜々緒と比べたり、共演を期待する声まであるほどだ。ちなみに11月に結果が発表される『第109回ドラマアカデミー賞』(ザテレビジョン)では『プロミス・シンデレラ』もノミネートされているので、成り行きに注目したい。

画像2~4枚目は『TBS「プロミス・シンデレラ」【公式】 2021年6月5日付Instagram「本日は、#松井玲奈 さんのオフショットを公開」』『松井玲奈 2019年9月22日付Instagram「本日22日午後4時から『佐藤二朗と斎藤工が行きたくない街No.1名古屋のドラマに出演するにあたり色々考えてみた』に出演します。」』『YouTube「松井玲奈」チャンネル 2021年9月18日公開「【日常vlog】手作り食パンでラピュタパンを作るなどする、30歳女性オタクの日常【松井玲奈】」』のサムネイル
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)

ラピュタパンを食べる松井玲奈(画像は『YouTube「松井玲奈」チャンネル 2021年9月18日公開「【日常vlog】手作り食パンでラピュタパンを作るなどする、30歳女性オタクの日常【松井玲奈】』に出演します。」』のサムネイル)

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