一方で「いいですね、いいジャンプ」とジョークを放つ場面も見られた。
しばらくすると数人の球場スタッフがグラウンドに現れ、本格的に猫の捕獲作業を始めた。しかしそれに気付いた猫はさらに怯えてしまったようで、4人のスタッフに囲まれながらも持ち前の脚力であっという間に走り抜けてスタッフらを置き去りにした。
外野フェンスに戻ってきた猫は、到底届かないであろう高さのフェンスを無理にでも登ろうとして何度もジャンプするが、届くはずもなく地面に落ちてしまう。この状況には実況者も「もう見ていられないよ! なんて可哀そうな猫だ!」と悲しみの声をあげる。
再びスタッフが猫を追い詰めたが、猫も必死でスタッフの手から華麗に逃れた。この様子をベンチから見ていた選手たちが、手を叩いて大笑いしている姿もカメラに収められている。
そして今度は7人のスタッフで猫を取り囲み捕獲を試みるも、やはり猫は間を縫うようにして逃げてしまったが、別のスタッフが三塁側のスタンドに繋がる扉を開けて待機しており、そこに逃げ込むようにして猫はようやくグラウンドから出ることができた。
このお騒がせ猫がグラウンドに侵入する直前の姿を、控えの選手たちが目撃していた。オリオールズのセドリック・マリンズ選手(Cedric Mullins)は「控え席に猫がいたけれど、くつろいでいたからそのままにしておいたんだ。それで気がつくとファンの歓声が聞こえて、いったい何が起きているのか分からなかったね」と当時を振り返った。
セドリック選手は猫の捕獲劇について「7人の大の大人が、1匹の猫にキレイにディフェンスをかわされてしまっていて、本当に面白かったよ」と話しており、選手たちも大いに楽しんでいたようだ。
オリオールズのブランドン・ハイド監督(Brandon Hyde)は「この猫は素晴らしい速さ、俊敏性、垂直の動きを見せてくれました」とジョークを交えてコメントしており、走攻守のすべてに優れたプレーヤーを意味する、“5ツールプレイヤー”であると猫を絶賛した。
なお球場から出た後の猫の行方は明かされていないが、実況者は「この猫の引き取り手が現れてほしいですね」とコメントしている。
画像は『MLB.com 2021年8月3日付「Cat on the loose draws MVP chants in Bronx」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)