肺がんで余命いくばくもないことを知った女性は、娘にあるお願いをしてその生涯を閉じた。そして娘は母との約束を頑なに守り、10年以上にわたり大切な祖母に優しい嘘をつき続けた。心打たれるニュースを『Oddity Central』『今日頭条』などが伝えている。
中国・陝西省西安市に住むチェン・ジンさん(Cheng Jing、46)は数年前、大好きだった祖母を100歳で亡くした。ジンさんは祖母が亡くなる13年前には母チェン・コンロンさん(Cheng Congrong)を亡くしていたが、祖母は生涯、その事実を知ることはなかった。
1917年生まれの祖母は30代で未亡人となり、一人娘のコンロンさんを女手一つで育てあげ、再婚もしなかった。
母の愛情を一身に受けて育ったコンロンさんは結婚をきっかけに独立し、ジンさんを含む4人の子供に恵まれた。しかし家計は苦しく最初の夫とは離婚、生活していくため母に子供を預けることもあり、とにかく必死に働いた。
しばらくしてコンロンさんは再婚したが、幸せは長くは続かなかった。コンロンさんは肺がんを患って急激に体調が悪化し、余命いくばくもないことを自ら知った。
悩んだ結果、コンロンさんは子供たちにこんなお願いをしたのだった。
「私はもう長くはない。母には病気のことは言わないで。そしてもし私が死んでも、そのことは伝えないで欲しい。」
ジンさんら4人の子供たちは苦労続きの母の死期が迫っていることに苦悶し、母の最期の願いに絶句した。
一方のコンロンさんはというと、時間を見つけては母に電話し、たわいもない会話をして元気であることを装った。そして文字を読むことができない母のために、こんなメッセージを録音し遺していた。
「母さん、寒くなったから身体に気を付けてね。薬を飲むのを忘れちゃだめよ。」
「朝起きたら、ゆっくりと身体を起こしてね。バランスを崩して倒れたりしたら大変だから。」
「できるだけ早く会いに行くから待っててね。」
こうして2003年にコンロンさんが亡くなると子供たちは母との約束を守り、祖母の前では平静を装った。特にジンさんは祖母にできるだけ電話をし、