28,000リットルという大量の牛乳が事故により流出し、川が真っ白に染まる光景がイギリスで撮影された。今回の被害により、複雑な生態系への深刻な影響を専門家は危惧している。現在濁りは戻りつつあるも、元の状態に戻るにはほど遠いようだ。『WalesOnline』などが伝えた。
英ウェールズ北西部スランウルダを通るA482道路にて今月14日、トラックが横転する事故が発生した。この影響でトラックに積んでいた大量の牛乳が流れ出し、近くにあったディライス川に流れ出してしまったという。
当時の川の様子を、同地域在住のメイ・ルイスさん(May Lewis)がカメラで捉えていた。川の水は牛乳により白く濁ってしまい、透明度はなく川底も見えない。画面奥に続く川も一面真っ白で、手前側では段差の部分で牛乳の小さな滝ができてしまっている。元の澄んだ水が流れる川の姿は見る影もない。
ウェールズで自然環境保護などを行う団体「Natural Resources Wales(以下、NRW)」の調査によると、28,000リットルもの牛乳がトラックから流れ出し、川を白く変色させてしまったそうだ。
環境問題の専門家であるウィル・ミラードさん(Will Millard)は、今回の事故による自然環境への影響を次のように明かしている。
「牛乳は人々が飲用しているものなので害が無いようにも見えますが、一度水路に流れ込んでしまうと、何百マイルという広範囲に影響を及ぼします。」
「魚はプランクトンを食べ、野ネズミは植物を、そして鳥が魚を食べるように命は複雑に絡み合っており、そのうちの1つでもダメになってしまうと他も共倒れになってしまうのです。」
「川は影響を受けやすい生態系の1つであり、川を汚染させてしまうのは難しいことではありません。良いニュースとしては、川は力強い性質を持っており、汚染から立ち直ることも可能ということです。」
NRWは通報を受けてから、