ヘンリー王子が、このほど子供向けの絵本に序文を寄稿した。その中で王子は、12歳で母ダイアナ妃を亡くした当時の心境を「心の中にぽっかりと大きな穴が空いた」と綴っている。
今月23日、イギリスは最初のロックダウン導入日から丸1年を迎える。「National Day of Reflection」と称されたこの日は、イギリス各地で新型コロナウイルス感染による死者を弔ったり、愛する人達と死別し悲しみに暮れる人々をサポートするイベントが行われる予定だ。ハンプシャーを拠点に近親者との死別を経験した子供達の支援を行うチャリティー団体「Simon Says」は、活動の一環としてこのほどブックプロジェクトを実現、『Hospital by the Hill』という子供向けの絵本を出版した。
同著書は医療従事者だった母親を亡くした子供の物語で、愛する人を突然奪われた悲しみについて語られている。1997年、12歳の時に母ダイアナ妃を交通事故で亡くしたヘンリー王子は、最愛の人を亡くすという同じ体験をした子供達に向けて同著に序文を寄稿。今回はその心温まるメッセージの全文を紹介したい。
「もしあなたがこの本を読んでいるとしたら、それは親か愛する誰かを亡くしたからですね。私は今、あなたをハグすることができたならと願いつつ、この物語があなたを『ひとりぼっちじゃないよ』と元気付けられればいいなと思っています。」
「私は少年の頃に母親を失いました。当時はそれを信じることも認めることもしたくありませんでした。そして私の心の中にはぽっかりと大きな穴が空きました。私にはあなたの気持ちがわかります。そしてその穴は時が経つにつれて、たくさんの愛とサポートで埋まっていくことを保証します。私達は皆、それぞれの方法で死と向き合いますが、私は『親が天国へと召されても、彼らの魂や愛情、そして思い出までもが旅立ってしまうことはない』と教えられました。それらはいつもあなたのそばにいて、あなたは永遠にそれらを大切にすることができます。このことは本当にその通りだと私は実感しています。」