1997年に、仏パリに滞在中のダイアナ妃が交通事故で不慮の死を遂げた。その後、チャールズ皇太子に対し母エリザベス女王は「離婚した相手。遺体を引き取る筋合いはない」と主張したというが、皇太子はパリに向かい亡骸と対面。その変わり果てた姿に涙をこぼした後、英国に遺体を搬送し母国で立派な葬儀を執り行った。その日、寺院へ運ばれるダイアナ妃の棺の後ろには、エディンバラ公フィリップ王配、皇太子、ウィリアム王子&ヘンリー王子、ダイアナ妃の弟が歩き、悲痛な表情を浮かべた幼い王子の姿が世界中のメディアで報じられた。まだ12歳だったヘンリー王子が当時を振り返り、「あのような状況で母親の棺の後ろを歩かせる。そんなことを子どもにさせるなんて、今なら考えられないこと」と本音を明かした。
ダイアナ妃の死から間もなく20年になる。作家のサリー・ベデル・スミスは著書の中で「葬儀の日、ウィリアム王子とヘンリー王子に棺の後ろを歩かせるべきか」で王族が頭を悩ませたと説明。棺の後方を歩くのは王室の男性達の役割だというが、すでにダイアナ妃とチャールズ皇太子は離婚しており、王子達が12歳、15歳と幼いことも十分考慮したそうだ。また王子達が「嫌だ」と渋ったものの、祖父フィリップ王配がウィリアム王子と話し、このように説得したという。
「歩かないと、いつか後悔するかもしれない。私は歩くべきだと思う。私が歩けば、一緒に歩くかい?」
これを聞いて歩く決意をしたというのだが、このほどインタビューに応じたヘンリー王子はこう話している。
「母が亡くなったばかりだというのに、母の棺の後ろをずっと歩かねばなりませんでした。何千人もの人が僕のことを見ているなかを歩いたのです。それ以外にも大勢の人々がテレビでその様子を見ていました。」
「(親の棺の後ろを歩けだなんて)子どもに言うべきではないと僕は思います。どのような環境にあろうが、そんなことはしない方がいい。今の時代なら、そんなことはさせないと思います。」