英国のみならず世界中の人々に深く愛されたダイアナ妃は、1997年に恋人と滞在していたフランスにて交通事故により他界した。最愛の母の突然の死―しかも離婚済みとはいえ父とは違う男性との逢瀬の末に母が急逝したことに、長男ウィリアム王子と次男ヘンリー王子は大変な衝撃を受けたという。しかし人々はまだ子供だった兄弟に、「ショックなんて、そんなに長く続くものではありませんよ」と声をかけて励ました。だがダイアナ妃の事故死から20年が経つ今も、ウィリアム王子の心の傷は癒えていないもようだ。
BBCドキュメンタリー『Mind Over Marathon』の中で、ウィリアム王子は母ダイアナ妃の死去後を振り返りこう話した。
「あれは、まさに最大のショックでした。」
「母の死去から20年も経つというのに、僕は今もショックから立ち直れずにいるのです。人はこう言います。『ショックはそんなに長く続くものじゃない』と。でも違います、続きますとも。決して乗り越えることはできないのです。」
「僕の人生の中で、(母の死は)信じられぬほど大きな出来事でした。心から決して離れない出来事なので、僕は(立ち直るのではなく)事実に向き合うことしかできません。」
またウィリアム王子は弟ヘンリー王子らとメンタルヘルス問題に熱心に取り組んでいるが、それは王子自身が母の衝撃的な死に悩み苦しんだからだという。
「そう。つまりこの僕にだって、メンタルヘルスの問題に関わるべき理由がある。そういうことです。」