一緒にフィリップ氏のもとを訪れる計画を立てた。同州サウスフィールドに暮らすフィリップ氏は対面当日、歩行器を使ってジェイミさんたちの前に現れた。現在104歳になるフィリップ氏は神経障害を患っているものの、会話はしっかりしていたそうだ。
ジェイミさんは自分の幼い頃の両親と一緒に写った写真を見せ、「あなたは私たちの両親を知っていると思います。そしてあなたは私たちに命を授けてくれたんですよ」と伝えた。するとフィリップ氏は「当時は私が先駆者となって、この方法を取り入れたんだよ」と明かしたそうだ。この言葉にジェイミさんは次のように告げた。
「私たちはあなたが命を授けてくれただけでなく、私たちの父親であることに感謝しています。あなたがいなければ私たちはここにはいなかったことでしょう。」
父娘の会話は弾み、フィリップ氏から当時のことが明かされた。彼はイリノイ州シカゴで1947年から精子を提供しており、グレース病院では何人かの医師がチームとなって精子を提供していたそうだ。ただしジェイミさんの姉リンさんの父親は、フィリップ氏ではなく別の医師になるという。
リンさんは「私たちはこの事実に対して彼らに感謝するだけです」と話しているが、倫理的な観点から多少の懸念はあるとしてこのように語った。
「私たちは本当の父親が誰なのか、健康や理論上の意味で知る必要があります。同じ地域で精子提供をすることは、のちに同じ遺伝子を持つ親戚きょうだい同士で結婚する可能性があることをフィリップ氏は知っておかねばならなかったと思います。」
今回の件についてメディアがフィリップ氏にインタビューを試みたところ、代わりに娘のカリさん(Kari)が次のように答えた。
「当時は精子提供をしていた医師のグループがあり、父も提供していたようです。でも私たちは父の遺伝子を受け継いだことで、健康で知的に育つことができました。」
「精子が父からと知らない夫婦もいると思いますが、彼らが尋ねていたら父はきちんと話していたと思います。彼らは父に『助けてほしい』と懇願し、精子がどこからなのかは尋ねることはなかったようです。彼らがただ望んでいたことは、健康な赤ちゃんを授かることだけでした。」
なお現在、ジェイミさんはフィリップ氏やその家族とも連絡を取り合い、友好な付き合いを続けているとのことだ。
画像は『New York Post 2020年12月15日付「Doctor used his sperm to father hundreds of babies with patients over four decades」(Jaime Hall/SWNS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)