顔に大きなあざを持って生まれてきた米フロリダ州在住のルナ・フェナーちゃん(Luna Fenner、1)の治療が昨年10月にロシアで始まった。これまで3度の手術を受けたというルナちゃんの両親が、『WPLG Local 10』『Born Different』のインタビューに応じ、現在の心境を語った。
米フロリダ州に住むルナ・フェナーちゃんは昨年3月、顔に大きなあざを持って生まれてきた。まるで映画『バットマン』のマスクをつけたようなそのあざは「巨大先天性色素性母斑」で、発生率は人口の1.5%に過ぎない。しかしながらこれを放置しておくと悪性黒色腫(メラノーマ)という致命的な皮膚がんになる可能性があるため、早めの切除が必要だ。
母キャロライナさん(Carolina)は「妊娠は順調で、ルナの顔にあざがあることは誕生までわからなかったの。だからルナが誕生した時は、顔が単に汚れているだけなのかと思ったわ。でもそれが大きなあざだと分かった時はショックで、分娩後にルナの顔を見るのを拒否したくらいよ。夫には『ルナに会いに行こう』って言われたんだけどね。正直かなり落ち込んだの」と当時を振り返る。
しかしながら娘が外見を除き普通の子と全く変わらないことは、キャロライナさんと夫のティアゴさん(Thiago)が一番よく分かっていた。「放置すると厚みを増し、毛が生えているため切除が難しくなる。皮膚がんになる危険性も高い」と聞かされた夫妻は、ルナちゃんの治療費を集めるためクラウドファンディングサイト「GoFundMe」を立ち上げ、米国だけでなく故郷ブラジルでも寄付金を募った。また様々なキャンペーンを行い、ルナちゃんにそっくりな人形やグッズを売って貯金した。
キャロライナさんは誕生後のことをこう語っている。
「ルナが生後2か月頃、教会で年配の女性に『この子はモンスターだ』と言われたの。はらわたが煮えくりかえったわ。そして『一刻も早く母斑を切除しよう』と決意を固めたの。それからフロリダ州だけでなくマサチューセッツ州ボストン、イリノイ州シカゴ、ニューヨークの病院を訪ねて最善の方法を模索したわ。」
「ただ最終的に手術をしようと決めたニューヨークの病院では『100回の手術が必要で最低でも4年が必要』と言われただけでなく、保険会社に支払いを拒否されたのよ。自腹だと40万ドル(約4200万円)になることが分かって途方に暮れたわ。」
そんな時、SNSでルナちゃんのことを知り連絡を取ってきたのが、