『BBC News』に以下のように語っている。
「最初の罠を開けて、ソマリ・ハネジネズミの姿を確認できた時には興奮を抑えることができませんでした。」
「ジブチにどの種のハネジネズミが生息しているのかは不明だったので、ソマリ・ハネジネズミのその特徴的なしっぽを見た時には、研究員同士思わず顔を見合わせましたよ! それが特別なことだって知っていたからです!」
「地元の人たちはその存在を知っていたので、特別に珍しいことでもなかったようです。」
なおソマリ・ハネジネズミの生息地は農業の発展が見込めない乾燥地帯のため、農業や人間による開発によって住処が脅かされる心配はないとスティーブンさんは話している。
実はソマリ・ハネジネズミが存在していることに気付いていたという地元ジブチの生態学者で環境保護活動家のフセイン・ラヤレさん(Houssein Rayaleh)は、今回の発見について次のように明かした。
「地元の人々はソマリ・ハネジネズミが『失われた』とは考えてもいませんでしたが、今回の研究によってこの種が再び科学の世界に戻ってきたことは大きな価値があると考えます。」
「ジブチにとって、この国と地方における素晴らしい生物の多様性や、この国の新たな科学と研究の機会を示せたことは実に重要な意味を持ちます。」
今回の調査によるDNA分析において、ソマリ・ハネジネズミはモロッコや南アフリカの種と最も近いことが分かっており、新しい種属とされている。ソマリ・ハネジネズミはどういうわけか長い時間をかけて長距離に分散したと見られており、生物学者に新たな疑問を残した。
科学者たちは2022年にもさらなる探索を計画しており、ソマリ・ハネジネズミたちにGPSを取り付け、彼らの行動や生態をさらに調査する予定だ。
GWCのケルシー・ニームさん(Kelsey Neam)は「野生のソマリ・ハネジネズミの発見は、彼らの保護のための第一歩でもあります。彼らが生き残っていることが分かった今、科学者や保護活動家は二度と彼らが姿を消すことがないよう守ることができるでしょう」と語った。
画像は『LADbible 2020年8月18日付「Elephant Shrew Redisovered In Africa After 50 Years」(Credit: PA)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 YUKKE)