密猟や違法な取引で野生動物が犠牲になってしまうケースは後を絶たないが、このほどインドで野生の象が爆薬の詰まったパイナップルを食べて口に大怪我をしてしまった。物が食べられなくなった象は耐え難い痛みを抱えながら息を引き取ってしまったという。『New York Post』『New Indian Express』などが伝えている。
インドのケララ州にあるサイレント・バレー国立公園に生息していた15歳の雌の象が先月27日、同州マラプラム地区を流れるヴェリヤー川で立ったまま死んでいるところを発見された。同地区の森林局の職員であるモハン・クリシュナンさん(Mohan Krishnan)は、のちに「人生の中でもっとも胸が締め付けられるシーンだった」と明かしている。
モハンさんによると、象は何者かが仕掛けていた爆薬入りのパイナップルを食べたことにより、爆発によって顎と舌を負傷したという。モハンさんが現場を確認した時、既に象は負傷により食べ物を口にすることができない状態で弱っていたそうだ。
象は群がってくるハエや虫から身を守るために川に入ったと見られていたが、『New York Post』では「この象が自ら死を感じ取ったため川に入ったようだ」と報じている。モハンさん達は、野生の象を救うために訓練された“クムキ(Kumki)”と呼ばれる2頭の象を連れて救助を試みようとしたが、時既に遅く象は川で息を引き取ってしまった。
直接の死因は肺に水が入ったことによる窒息死だったが、