エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】「映画を届ける方法はいくらでもある」上映中止決めた映画祭の名物プロデューサー

劇中に登場する売れないパンクバンド「逆鱗」が1975年に解散前のレコーディングで演奏した楽曲『FISH STORY』をめぐって起きる、時空を超えたエピソードを描いたものだ。「逆鱗」のメンバーを伊藤淳史高良健吾らが演じ、多部未華子濱田岳森山未來、大森南朋などがキャストを務めた。

志尾さんは久しぶりに映画『フィッシュストーリー』を観て、大森南朋が演じたレコード屋の店主のセリフに自分の思いをリンクさせた。人類滅亡の危機が迫り廃墟と化した街で人の姿もないのに営業する店主は、ある男になぜ店を開けているのか聞かれて「レコード屋ですから」と答える。その店主の生き方に憧れた彼女は高崎映画祭についてもそのような姿勢でありたいと思い立つ。

さらに中村義洋監督が描くスピーディーな展開に刺激を受け、それまでとは違う自分に気づき「ぽっかりと開いた心」に新しい風が吹き抜けたという。

彼女は改めて「映画を身近に感じる」とはこういうことだと分かり、ネット配信で作品を堪能したことから「映画を届ける方法は、いくらでもある。今はそう思っています。たとえ、映画祭が開催中止になったとしても、それでも、高崎映画祭が皆さんに映画の素晴らしさをお伝えすることはできるわけです」とさらなる可能性に目を向けるのだった。

そのように映画と向き合う志尾睦子さんのメッセージに映画関係者から大きな反響があった。

『最初の晩餐』(2019年)、『33分探偵』(2008年)、『みんな!エスパーだよ!』(2013年)など映画やドラマを手掛ける森谷雄氏がTwitterで「読んでいるうちに涙が出ました。本当に映画の力を信じている方の言葉です」とつぶやいており、『第34回高崎映画祭』で最優秀作品賞に選ばれた『嵐電』(らんでん)の鈴木卓爾監督は「映画を愛する皆様ぜひ読んでください」と呼びかけた。

また映画監督で写真家の枝優花さんは、志尾さんについて「この方がプロデュースする映画祭が、地元であることの誇り。お会いする度に、元気と愛を頂いてる」と触れてから「映画を含め芸術が何のために存在しているのかを、改めて考える日々。人生を彩る上でなくてはならない存在なはず。少なくとも私は」と思いをつぶやいた。

画像は『高崎映画祭takasakifilmfes 2020年3月13日付Instagram「【第34回高崎映画祭 全プログラム上映中止のお知らせと、鑑賞券・専用チケットの払い戻しについて】」、2019年5月2日付Instagram「高崎映画祭プロデューサー志尾睦子のコラム」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)

高崎映画祭プロデューサー志尾睦子さん(画像は『高崎映画祭takasakifilmfes 2019年5月2日付Instagram「高崎映画祭プロデューサー志尾睦子のコラム」』のスクリーンショット)

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