ほとんどの地域では人気がなく今までと違う街の様子であった。しかし低所得者層の住むタウンシップの一つ、ヨハネスブルグのアレクサンドラ(Alexandra)は朝から多くの人でにぎわっていた。あるスーパーには長蛇の列ができ、軍隊によって強制的に店舗が閉鎖され、並んでいる人々は帰宅を促された。朝6時からこの列に並んでいたという人は「ここが一番安い。コロナウイルスは怖いけど、食べるものを買わなければいけないんだ」と語っている。
またケープタウンのタウンシップ、ランガ(Langa)でも、人々は通常の生活を送っていた。親が仕事で家にいないため屋外で遊んでいる子供達は、警察や軍隊を見ると隠れ、彼らがいなくなるとまた遊び始める。「民主主義の政府は我々を家に閉じ込めることはできない」と息巻く酔っぱらった人々や、屋根に上って軍隊やメディア関係者に悪態をつく男性も現れた。ATMには長い行列ができており、市の職員らが間隔をあけて並ぶよう呼びかけている。
そのようななかで保健省は27日、南ア国内の感染者が1170名になったことを発表した。3月5日に感染者第1号が確認されてからわずか22日で、新型コロナ感染者数が1000名を超えてしまった。またケープタウンでは、国内初の新型コロナウイルスによる死者が公表された。亡くなったのは48歳女性で、陽性と判断された2日後に息を引き取ったという。この女性は国外には出ておらず、週末にワインファームへ行った後に体調が悪くなったとのことだ。
画像は『News24 2020年3月27日「National lockdown: Alexandra ignores call to stay in」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)