1995年1月17日に阪神・淡路大震災が発生してほどなく、関西で活動していたロックバンド「ソウル・フラワー・ユニオン」は被災地で出前ライブを開始、電気の要らない三線やチンドン太鼓を奏でメガホンをマイク代わりにお年寄りも慣れ親しんだ歌で励ました。ボーカルの中川敬が、ロックバンド「ヒートウェイヴ」の山口洋と共作で被災地の空気感や被災した人々の思いを表現したのが『満月の夕』である。2020年となって、中川やスタッフによる『ソウル・フラワー・ユニオン』Twitterで「1月17日。25年。」と震災で瓦礫と化した街並みの光景や『魂花時報』(阪神大震災緊急特別号/1995年2月発行)に掲載された「出前ライブ」の記事を投稿したところ反響があった。
25年の時を振り返るように「当時、拡声器使って歌ってはりましたよね。どんな時も口ずさめる歌は偉大です。私も某山口氏(笑)につきあって、被災地のテントを張りに行ったことを思い出しました…」、「ハイエースで神戸に駆けつけたいです。祈りを込めて」という声が寄せられた。
2008年1月18日に放送されたNHKプレミアム10『絆・被災地に生まれた“こころの歌”』のなかでインタビューを受けたソウル・フラワー・ユニオンの中川敬は、被災者から「震災で家族を亡くしたが、ずっとボランティアをやって泣くのを忘れていた。あんたの歌でやっと泣けたわ」と言われたことを話しており、