
ボサムさんの家族および支援していた人達から大きな歓声があがった。
彼らの歓声は、アメリカで警察官が黒人を銃で撃っても裁判で罪に問われないことが多いという背景があったからに他ならない。
アンバーの判決が下った後、彼女に向かって罵倒してもおかしくない立場であるボサムさんの弟ブラント・ジーンさん(Brandt Jean、18)が、証人席からアンバーに向かって思いもよらない発言をした。
「あなたが天にいる兄に会えたなら、兄は『あなたを許す』と言うでしょう。」
「私は他の人を愛するようにあなたのことも愛します。私はあなたが、どん底に落ちて死ぬようなことを願ってはいません。」
「個人的には、あなたにとってベストな状態であって欲しいのです。自分の家族の前で、こんなことを言うつもりはなかったのですが、あなたには刑務所にさえ入って欲しくありません。兄も同じ考えだということを私は知っているので…。あなたには最良の人生を歩んで欲しい。」
「神にあなたの人生を預けてください。それは兄が望む、あなたにとって最良のことだと思っています。」
そしてブラントさんは、裁判官に「彼女にハグすることはできますか?」と尋ねた。その了承を得た後にブラントさんはアンバーのもとへ歩み寄り、アンバーも泣きじゃくりながらブラントさんに駆け寄りハグをした。これには裁判官も心を打たれ、涙を拭う姿があった。
ダラス郡地方検事のジョン・クルーゾ氏(John Creuzot)は裁判の後でブラントさんについて「癒しと許しという他人にできない並外れた行為だ」と述べ、37年間検事をしてきた中で「このようなシーンを目にすることはありませんでした」と語っている。
画像は『ABC News 2019年10月2日付「Extraordinary act of mercy: Brother of Botham Jean hugs and forgives Amber Guyger after 10-year sentence imposed」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)