このほどスウェーデンで、幼い子供を連れた臨月の妊婦が切符を提示できなかったことで警備員に電車内から引きずり降ろされた。女性が過度の暴力的対応を受けた動画がソーシャルメディアで拡散されると「人種差別」と非難の声が相次いだ。『London Evening Standard』『BBC News』『Metro』などが伝えている。
1月31日の午後7時45分~8時15分ほどの間に、スウェーデンのストックホルムにあるヒュートリエット地下鉄駅に止まっていた電車から、身重の妊婦が警備員にプラットフォームへ引きずり降ろされ、周りの乗客が騒然となる事態が起こった。
5歳の女児を連れた黒人女性(名は非公開)は身重の妊婦であるにもかかわらず、交通会社「SL」の警備員2名に不必要な暴力的対応を受けた。ソーシャルメディアで拡散した動画を見ると、電車内にいたこの女性は両脇を警備員に抱えられて無理やり電車から降ろされている。そばには女性の子供である女児が泣き叫んでおり、電車に乗っていた客らが警備員の対応に抗議している様子が捉えられている。2名の警備員は、叫ぶ黒人女性をベンチにうつ伏せ状態に押さえつけ、さらに2名の警備員がホームに駆けつけており、うち1名が女児をなだめていた。この光景を目の当たりにした目撃者のひとりがブロガーで活動家のラヴェッテ・ジャローさんへ撮影した動画を送り、このように投稿した。
「切符が原因のようですが、私は今までの人生で、子連れの身重の妊婦にこれほど暴力的に接する対応を見たことがありません。彼らの行為は行き過ぎであり止めなければなりません。大声で抗議していた白人女性には、彼らは穏やかに話をしていました。その状況から鑑みてこれは人種差別が根底にあると感じました。私の質問に警備員は答えませんでしたが、彼らが暴力行為に及んだのは明らかです。」
ラヴェッテさんは、この目撃者の証言とともに動画をInstagramやFacebookでシェアし「またしても警備員による黒人への攻撃が起こりました。今回は妊婦に対してですが、私たちが一緒に立ち上がってこれらの会社に責任追及を要求し、彼らが従業員を適切に訓練するまでこのようなことは起こり続けるでしょう。女性のお腹の胎児が無事であることを祈らずにはいられません」と綴っていたが、