エンタがビタミン

writer : sekihara

【エンタがビタミン♪】<高見沢俊彦インタビュー>2018年、今年の一文字は「激」! 現役で居続ける“パワーの源”は?

■最後の年にふさわしい曲に
―今年で終了ということについては、いかがですか。
高見沢:続けられるなら続けたかったですけど、始まりもあれば終わりもありますから。そこは受け入れましたけど、終わりは悲しいですよ。もっとやりたかったです。今回のテーマも最後にふさわしいものにしようと思い、満足のいくものができました。(今年のイメージソングの)『勇気凛々』はいきなり(歌詞が)「全力出せ!」から始まりますから。自分たちにも言っていますからね。

■一番の思い出は…?
―中継番組では放送席に呼ばれたり、競技場で歌ったこともありましたね。
高見沢:ありましたね。『ONE』を歌ったこともありますけど、一番の思い出はね、桜井がオーケストラと一緒に『Beyond The Wind』を歌った時ですね。テレビで観ていてさ、あいつはことごとくついてないのか、いきなりコマーシャルに入って切れちゃった。「あれ? 何これ…」みたいな(笑)。毎回リアルタイムで観てるけど、それが一番印象深いですね(笑)。

―ご自身のマラソンの思い出はありますか。
高見沢:明治学院の高校時代に学校の周りを2周走るんですよ。クラスごとだったのかな、2位か3位だったんです。でも桜井はさ、あいつずるいんだぜー。八芳園の中に入って近道しようとして、見つかっちゃったのかな。俺はちゃんと走ったけどね。マラソンというとそれを思い出しますね(笑)。20代の頃はよく街を走っていましたよ、冬でも夏でも。最近は走らないですね。筋トレ専門になっちゃいましたね。

―桜井さんのネガティブな話題が続きますね(笑)。筋トレのときに音楽をかけることはありますか。
高見沢:ありますよ、もちろんもちろん。気に入っている音楽をかけます。そうですね、ビートルズやT・レックス、クイーンだとか。

THE ALFEE 桜井賢

■今年の漢字一文字はズバリ…
―ところで今年もあと少しで終わりです。今年もTHE ALFEEの春と秋の全国ツアーに夏のイベント、ソロ活動など盛りだくさんでしたが、今年を漢字一文字で表現すると何でしょうか?
高見沢:そうだなあ、小説を書いたことは自分の中で大きかったので、新しい扉で「扉」って言う字かな。「扉」って変だな。難しいね…。「激」ですね。激しいよ、やっぱり。小説書くのは激しいよ。音楽家と小説家の二刀流は激しいですよ。

―「激しい」とは? 執筆しているときが激しいのですか?
高見沢:いろいろ激しいんですよ。スケジュールも激しいし、締め切りも激しいし、自分でMなんじゃないかと思うぐらい激しいですね。どこでも書いてますね。書斎はないから車や新幹線の中や、ツアー中の楽屋が一番多いですね。書けるところまで思いついたものをどんどん書きます。

―その小説2作目の『秘める恋、守る愛』ですが、12月22日発売の小説誌『オール讀物』(文藝春秋刊)1月号で不定期連載がいよいよスタートしますね。今回は大人の恋愛を書くということですが。
高見沢:皆さんが期待しているようなロマンチックなものではないですね。「人は何を秘め、何を守って生きていくのだろう」というテーマをひとつの家族を通して作っていけたらと思って。

■ベルリンはあえて外しました
―今作はドイツ・ミュンヘンが舞台とのことですが、高見沢さんと言えば、(曲に登場したり、ライブを行ったことのある)ベルリンではないですか?
高見沢:そこが面白いでしょ(笑)。ベルリンにすると、(デビュー作『音叉』で自叙伝と勘違いする人がいたので)また「俺の(実体験)…」だと皆さん勘違いしそうので、あえて外しました。フランクフルトでもどこでも良かったんですけどね。特別な思い入れというよりも、何となくミュンヘンにしたって感じですね。小説なので創作であって、実体験ではないですから。『音叉』でもそうです。長崎の平戸は出てきますけど、僕は行ったことはないですから(笑)。

■作家としての夢は?
―その『音叉』で実は憧れていたという「作家」という夢が叶ったわけですが、今後の作家としての夢は何ですか?
高見沢:それは小説を書き続けることですね。作家デビューが遅くて還暦を超えていましたから、書けるだけ書いていきたい。思いつくことは音楽とともに形にしていきたいですね。物を作るのが好きだから、自分ではない自分を演じることができる―そこは非常に興味深いですね。

■パワーの源は? やはり…
―ところで、高見沢さんのパワーの源は何でしょうか。なぜ次から次へと曲を作り続けられるのですか?
高見沢:ツアーを現役で続けていることでしょうね。そこはやっぱりパワーの源なのかな。ツアーで感じたことを歌にすることも多いですからね。ツアーを続けていなかったら、こんなに曲はできなかったかもしれないな。あとライブが好きだというのはありますね。そこが源じゃない? ギターはもちろん好きだけど、レコーディングで弾くよりも、一番はライブで弾くことだね。

―THE ALFEEの3人がライブが好きというのは、ステージを観ていても伝わってきます。
高見沢:そうでしょ? 僕ら3人で歌って、ステージをやることが好きだから、これだけやっているわけで、嫌々やっているわけじゃないから。

―ライブを楽しんでいる3人を見るのが楽しいというのがあります。
高見沢:それで自分たちが頑張っていけるなら、それはすごくいいじゃないですか。そのキャッチボールというのは。それがライブの醍醐味ですよね。

45年経ってもバンドとしての歩みを決してやめることないTHE ALFEE。そのコンサート本数は現在2700本を超えて、日本のバンドとして最多記録を更新し続けている。現在クイーンのフレディ・マーキュリーの生涯を描いた映画『ボヘミアン・ラプソディ』が大ヒットしているが、日本での公開から約1か月半の間に高見沢は「かなり観てますよ」と時間があればこの映画を鑑賞していることを明かした。「デビュー当時のクイーンが大好きで、2ndアルバム『クイーン II』は聴きまくったなぁ」と話す高見沢は、一人の音楽好きの少年のままのよう。プロのミュージシャンでありながら、今も大の音楽ファンであり続ける彼やTHE ALFEE。そこが彼らの魅力の一因とも言えそうだ。
(TechinsightJapan編集部 関原りあん)

2018.12.19リリース『Last Run!』ジャケット写真

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