第71回カンヌ国際映画祭でコンペティション部門正式出品作『万引き家族』(是枝裕和監督・55)が最高賞であるパルムドールを受賞した。同賞を日本映画が受賞するのは、1997年の第50回カンヌ国際映画祭にて今村昌平監督作品『うなぎ』が受賞して以来21年ぶりの快挙である。監督そしてキャスト達の喜びの声を紹介する。
日本時間5月14日に行われた公式上映では、約9分にわたるスタンディングオベーションが起こり、受賞への期待が高まっていたものの、いざその時が来るとやはり尋常ではいられないようだ。
現地時間の5月19日夜、是枝裕和監督はパルムドールに発表されて壇上で「さすがに足が震えています。この場にいられることが本当に幸せです。そしてこの映画祭に参加するといつも思いますが、映画をつくり続けていく勇気をもらいます。そして、対立している人と人を、隔てられている世界と世界を映画が繋ぐ力をもつのではないかという希望を感じます。今回みなさんにいただいた勇気と希望をまず一足早く戻ったスタッフとキャストに分かち合いたいですし、作品が選ばれたにもかかわらず、ここに参加できなかった2人の監督たちとも分かち合いたいですし、これから映画をつくり、ここを目指す若い映画の作り手たちとも分かち合いたいと思います。ありがとうございます」とスピーチした。
そして現地で囲み取材に応じた是枝監督は、「(トロフィーが)すごい重いです。ずっとトロフィーを持ち続けているので腕がガチガチなんですけど、これをいただくというのは監督として本当に重い出来事で、この先、この賞をもらった監督として恥ずかしくない作品をまたつくらなければならないなという覚悟を新たにしています」とトロフィーの重さを噛みしめていた。
日本にいるキャストとは「今この状況でLINEのやり取りをしていて、合間にちょっとずつ写真を送ったり、まだちょっとバタバタしていて『おめでとう』『素晴らしい』ぐらいの会話しか交わせていないです」とも明かした是枝監督だが、