映画『そして父になる』が、11月11日に公開49日目で累計興行収入30億円を突破した。観客動員数も累計257万名を超える人気となっている。第66回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した本作はハリウッドでリメイクすることが発表されたが、興行成功を含めて日本での人気にリメイク版がどこまで迫れるか注目を集めそうだ。
公開から7週目の11月10日(日)には1日で14,510名を動員。興行収入18,694,000円を記録して人気の長さに手応えを感じていた映画『そして父になる』が、11日(月)に公開49日目にして累計興行収入30億円を突破した。
11日(月)は全国307スクリーンの実績が動員:7,183名/興収:8,493,600円となったことで、9月24日~27日の先行公開4日間を含む11月11日(月)までの累計成績は動員:2,574,152名/興収:3,001,430,500円を記録している。
6年間育てた息子がある日、病院からの連絡で他人の子だと知らされる。出産した病院内で他人の夫婦の子供と取り違えられたのだ。その時から2つの家族で「血か、愛した時間か」の葛藤が始まる。愛、絆、家族とは何かを問う感動のドラマは、是枝裕和監督が脚本・編集を手がけたものだ。
カンヌ国際映画祭で同作に惚れ込んだスティーヴン・スピルバーグがハリウッドでリメイクすることを発表した。巨匠スピルバーグによって是枝監督の世界がどのように生まれ変わるのかも見ものだが、福山雅治、尾野真千子、真木よう子、リリー・フランキー、樹木希林といった日本でも有数の個性派俳優に対するキャスティングが気になる。
是枝監督がトークイベントで語ったところでは、先方のスタッフと食事をしながら会話を楽しんだだけと断りながらも、福山雅治の役はトム・クルーズ、リリー・フランキーの役はジャック・ブラックという名を出している。
映画『そして父になる』について、福山雅治はテレビ番組のインタビューで「リリー・フランキーさんに子どもたちがすっかり懐いていた。リリーさんにじゃれついて、もうやりたい放題ですよ」と笑っていた。リリー・フランキーの役者としての可能性は計り知れない。同作でも彼の存在が独特な味となっていることは誰もが認めるところだろう。
ジャック・ブラックといえば、コメディからシリアスまでこなす個性派俳優だ。特に2003年に大ヒットした『スクール・オブ・ロック』は記憶に残る。もしリメイクで彼がリリー・フランキーの役となればよい演技をみせるだろうが、ジャック・ブラックといえどもあの味にどこまで迫れるかは疑問だ。
もっとも是枝監督はスピルバーグ監督に、オリジナルにこだわるのも大切だが「アメリカ社会に合わせて変えて構わない」と伝えたという。スティーヴン・スピルバーグが考える『そして父になる』では、どのようにキャスティングされるか楽しみにしたい。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)