犯してもいない罪を被せられ長年の投獄生活を強いられることほど、人として辛いことはないだろう。このほどポーランドで、冤罪により18年間刑務所暮らしをさせられた男性に、無罪判決が言い渡された。男性は判決を耳にした直後に泣き崩れた。『The Independent』『Mirror』『Metro』などが伝えている。
1997年12月31日、ポーランドの南西部で行われた大晦日パーティで15歳少女が性的暴行の末に殺害されるという事件が起こった。当時、失血して凍死した少女の遺体を発見した警察は、毛がついたウール素材の帽子や少女の体にあった噛みつき痕などから複数の容疑者を割り出した。その中に、トーマス・コメンダさん(42歳)が含まれていた。
事件当日は、トーマスさんが現場からおよそ3.2kmも離れた場所にいたことを12人が証言した。ところが逮捕されたトーマスさんは警察の執拗な取り調べで殴る蹴るなどの激しい暴行を受けて脅され、自白を強要させられた。24歳だったトーマスさんは犯してもいない罪で有罪判決を受け、投獄された。
ところが被害に遭った少女の両親がトーマスさんの有罪判決に疑問を持ち始め、警察当局に事件の再調査を依頼した。その後の新しい法医学技術により、2004年に公判で示されていたDNA検査の証拠が信ぴょう性に欠けるものであったことが判明し、