中国の内モンゴル自治区で、婦女暴行殺人事件を犯したとして当時18歳の少年が死刑となり、執行から18年後の昨年12月に冤罪であったことが確定した。このほど中国政府が、その家族に対して約3750万円の賠償金を支払ったことが大きく報じられている。
1996年に起きた婦女暴行殺人事件で死刑判決を受け、その2か月後に処刑されていたHugjiltuさん。しかし2005年に連続婦女暴行殺人犯として逮捕されたZhao Zhihongという男が、昨年になってその事件にも関与していたと自白。処刑から18年と歳月は経っていたが、両親に代わり弁護士やソーシャルメディアが再審請求を強く訴え、12月にHugjiltuさんの冤罪が確定していた。
『globaltimes.cn』ほかが伝えているところによれば、中国政府はその両親であるLi SanrenさんとShang Aiyunさんに、このほど高等裁判所に相当する「内モンゴル自治区高級人民法院」を通じて200万元(約3750万円)の賠償金を支払ったもよう。両親はメディアのマイクに、「このお金でもっと立派なお墓をいい場所に建ててあげたい。警察や裁判官には、誤認逮捕や誤った判決で罪もない息子の命を奪ったことを反省し、二度と同じ過ちを繰り返さないよう肝に銘じて欲しい」と話している。
ちなみに中国では都市部から地方農村部までを含めた場合の平均年収は、やっと30万円に至ったところだと報じられている。それを考えるとHugjiltuさんの両親には大変な額の賠償金が支払われたことになるが、すでに初老の夫妻には笑顔もなく「それでも息子の命は戻ってきません」と改めて涙を流していたという。
※ 画像はshanghaiist.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)