アジア発!Breaking News

writer : katakura

【アジア発!Breaking News】痴漢を止めようとした婦人。逆に訴えられ、15時間も取り調べ。(台湾)

1人の婦人が、台北MRT(地下鉄)の車内で、若い女性が痴漢被害に遭っているのを目撃し、容疑者に勇敢に立ち向かったところ、逆に傷害と誹謗の罪で訴えられる事件が起きた。婦人と痴漢容疑をかけられた男は15時間もの取り調べの後、双方5万元(約14万円)の保釈金でようやく釈放されたという。

6月7日夜7時頃、婦人はMRTの車内で若い女性の背後にピッタリとくっついている男に気付いた。婦人は若い女性に後ろの男が知り合いではないことを確認した後、「痴漢!」と声を上げた。男が婦人のデタラメな発言を止めようと、争いに発展。気が高ぶった婦人が手を出したため、男に訴えられた。

最近、「電車に乗るのが怖い」という男性が多いと聞く。男性たちは、痴漢に間違われないために、両手を分かりやすいところに置いたり、女性の近くに行かないなどの対策を採っているそうだ。

「痴漢に間違われたら走って逃げる」

これは、『行列ができる相談所』でお馴染みの北村弁護士の痴漢冤罪へのアドバイスだ。痴漢に間違われたら最後。容疑を否認し続け、年月をかけて裁判で無罪を勝ち取ったとしても、失うものが大き過ぎる。しかし、この痴漢容疑をかけられた男は“訴え返し”という強気の行動を取った。

今回の事件で、果たして実際に痴漢行為は行われたのか。若い女性は「背中やおしりに、ずっと何か硬いものをこすり付けられているように感じた」と、実際に被害があったことを訴えている。男は何の証拠も見つからなかったことを幸いに、容疑を否認、婦人を訴えたとも考えられる。

痴漢は女の敵だ。しかし、証拠もないままに、女性の申告だけで男性は訴えられ、その申告が虚偽だったとしても女性はお咎めなしというのでは、あまりにも男性の分が悪い。婦人にとっては報われない善意となったが、少々やりすぎた感も否めず、警察の措置は妥当だったと言えよう。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)