日本では連日のように伊調馨選手へのパワハラ疑惑問題が報じられている。日本レスリング協会の強化本部長であった栄和人氏が辞任となり、続いては「伊調馨さんは選手なんですか?」とトゲのある発言をしてきた同協会副会長の谷岡郁子さん(至学館大学学長)の去就にも注目が集まっている。だが当事者の栄氏にも増して彼女に「この女こそ独裁者」とバッシングが集まるのはなぜか。世襲制により若くして同大学の学長に君臨したというだけではない何かがあるのだろう。そもそものパワハラ気質に原因があるとも囁かれている。女性のボスがとても多いアメリカでこの手の話題に事欠かない。タイムリーな記事を見つけたのでご紹介してみたい。
金融関係のプロが作っているビジネスパーソン向けのサイト『ToughNickel』。 “Workplace Issues(職場の問題)”というカテゴリーがあり、そこに紹介される事例や寄せられる手記には「他人事ではない」という声ばかりである。今や日本のオフィスでも女性の上司やトップは増える一方だが、どうせその座に就くのであればしっかりと部下の心と信頼をつかみたいもの。谷岡さんのように「パワハラな独裁者」などと悪口を言われたくないものである。
では、どんなことをしていると女性のボスは部下たちに嫌われていくのだろうか。その手記を執筆したのは、カトリック系幼稚園の教諭を経てオフィス勤めに挑戦したものの、“ジェニファー”という女性の上司から執拗にイジメられたというマッケンナ・マイヤーズさん。どの職場にもチームにも上下関係はある。アナタの職場に陰湿な空気が漂っているとしたら、そしてイジメに苦しむ人がいるとしたら、おそらくこういうことなのかもしれないとして、マイヤーズさんは冷静に大嫌いなジェニファーと自分の間にあったネガティブな人間関係について見つめてみたという。彼女が10か条として示した内容を元に一緒に学んでいきたい。
1.上司が部下の名前を覚えない、間違える
上司ジェニファーはマイヤーズさんを、以前そのポジションにいた女性と混同して「マーシー」とたびたび呼んだ。やや不快であったが文句を言うほどのことではないと思って彼女は黙っていた。「マッケンナ」か「マイヤーズ」か、なんと呼ばれたいのか本人にもそれなりの希望はある。上司はそれを知ったら頭に叩き込み、その通りに呼んであげるのみである。
たとえば日本では、上司が渡辺さんという部下を「ナベちゃん」と呼ぶこともあるのだろう。親しみを込めたつもりが、部下は「普通にワタナベさんでいいのに」と内心思っていることもしばしばである。馴れ馴れしい雰囲気で人間関係を構築しようとする上司にむしろ引いてしまう、そんな若者も増えているようだ。
2.部下の外見をよく見て、細かい点まで気になってしまう―不具合を指摘するのはNG
スカートから少しばかりほつれて飛び出た糸、ヒールの傷、そんなものを見逃さないあたり、さすがボスも女性である。しかし、不意を突いたようにそれを指摘してくるジェニファーにマイヤーズさんは面食らい、