あなたは「直腸脱」というものをご存じであろうか。排便時、便座にそれは長く座ってしまうという人にとってこの話題は笑い事ではない。全身できばり、いきむだけでも肛門には相当の負担がかかるものだが、排便モードのままトイレの便座にむやみに長く座り続けることも出来るだけ避けなければならないようだ。中国の男性による恐ろしい事例を英メディア『Mail Online』や『IBTimes UK』が伝えている。
中国広東省の中山市(ちゅうざんし)で今月4日夜、トイレの便座から立ち上がるも股間に大きな異物の存在を感じ、慌てて中山大学附属第六医院に駆け込んだ30歳の男性(それ以上の情報は明らかにされず)。彼は「トイレの中でずっとスマホのゲームをしていました。30分くらい便座に座っていたと思います」と説明した。CTスキャンによる画像診断の末にSu Dan医師から告げられた病名は「直腸脱」。男性が感じた異物は肛門から飛び出た16cmもの直腸で、切除手術が行われたという。
実はこの男性、排便後の肛門から何か柔らかいものが出てくるという症状を4歳の頃から自覚していた。しかし簡単に押し込むことができていたため、そう深刻に考えることはなかったという。ところが今回ばかりはそうは行かなかった。約30分にもわたり肛門が排便モードになっていたことにより、ついに骨盤底の直腸を支える力が限界に達してしまったのだ。切除手術を終えて男性は回復に向かっているが、Su Dan医師によれば男性の腸壁には瘢痕や出血の跡もあり胃腸の状態は決して良くないという。
「4歳の頃から直腸脱を自覚していながら、押し込むことができるからと放置してきた。このことが病状の悪化につながったのです。直腸脱の原因はトイレの時間が長いこと。排便しようといきむたびに骨盤底筋が弱まっていったと考えられます」とSu Dan医師は説明している。内臓を支える筋肉の低下というと高齢者の病気と捉えられがちだが、