イギリスの産科医院でこのほど、帝王切開の安全神話が崩壊しかねない事故が起きていたもようだ。腸を包む腹膜を多少傷つけることがあると言われる帝王切開だが、この女性の場合は腸がはじけるように飛び出したというのだ。
英ハンプシャー州の28歳女性が今年3月、安全な出産のために選択された帝王切開手術でとんだ医療トラブルに泣いたことを『mirror.co.uk』が伝えている。2人の幼い子を愛しそうに眺めながら、女性はあまりにも衝撃的であったその体験をこう話した。
「この世のものとは思えない耐え難い痛みに襲われた私は、とにかく落ち着こう、気をしっかりと持とうと自分に言い聞かせながら深呼吸を繰り返し、40分も救急車の到着を待ちました。腸が外に飛び出ないようにと自分のお腹を押さえつけながらです。隣では誕生したばかりの娘が乳が欲しいと激しく泣きじゃくってしまい、本当にどうしたらよいのか人生最悪の事態という感じでした。」
わが身に起きた恐ろしい出来事をそう告白したのは、同州リップホック在住のサム・ベルさん。3月24日に「St Hellier’s Hospital」にて帝王切開で娘のクロエ・ターマンちゃんを出産して退院。29日、予定通り自宅を訪れた助産師により抜糸がなされたが、ベッドから立ち上がったところで下腹部にズキンとした痛みが走る。何事かとズボンを脱ごうとしたサムさんの目の前に何かが飛び出した。それはなんと大腸と小腸。助産師も「かつて経験したこともない緊急事態です」と言って動転してしまったという。
再び同病院に運ばれ、腹膜および下腹部の皮膚が縫合されたというサムさん。クロエちゃんの上にはまだ手のかかるミッチェル君という1歳3か月の男の子もいるというのに、こうしてママの退院は4月2日になってしまった。医師は「稀にはそのようなこともありますよ」と何でもないことのように語ったため、「からかっているんですか?」と医師に思わず突っかかったとサムさん。病院側から正式な謝罪があったというが、現在もその原因については調査中である。自分の身に何が起き、原因は何なのか、自分の腹腔内で今後にも何か不都合な事態が起きる可能性はあるのかなど、サムさんは「医師には必ず真実を話してほしいと思っています」と語っている。
※画像はdailyrecord.co.ukのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)