このほど米カリフォルニア州のサファリパークで、帝王切開によりゴリラの赤ちゃんが誕生した。自然界の営みに任せた分娩では母子ともに命を落とす可能性があり、獣医らは迷うこと無く帝王切開を決意したのであった。
米カリフォルニア州にある「サンディエゴ動物園サファリパーク」でこのほど、18歳のメスのゴリラ“イマニ”が、緊急の帝王切開手術により2,086グラムの赤ちゃんゴリラを出産した。イマニにとっては初めての出産で、同サファリパークのゴリラはこれで8頭になったという。
これは生後2日目の赤ちゃんゴリラの様子(画像はnbcsandiego.comのスクリーンショット)である。心拍数が高く呼吸困難がみられることから胸部単純X線写真を受けたところ、「肺虚脱(無気肺)」という病気が認められ、この動物園の獣医のほかにカリフォルニア大学から新生児医療の専門家、麻酔科医らが結集し、専門的な治療が始まった。ヒトの赤ちゃんに比べ手足も大きく動きが活発である赤ちゃんゴリラは、麻酔から覚めると口や喉に装着された医療器具を嫌がって外そうと必死である。
しかし今のところ治療は順調に推移しており、母ゴリラのイマニの腹部の傷についても問題なく回復しているという。サンディエゴ動物園サファリパークの担当者は、ゴリラが帝王切開で出産するというのは前例がないが、「誕生したこの赤ちゃんの健康状態を考えると、通常よりも長過ぎるイマニの陣痛に帝王切開を決意したことは正しい選択であった」と話している。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)