昨年の春頃から、“降水量が少ないせいで干ばつによる水不足が起きている。今後も深刻化が懸念される”と大きく報じられていた南アフリカのケープタウン市。パトリシア・デ・リール市長がこのほど記者会見を開き、今の同市の状況について「100年に1度の危機に陥っている」と表現した。今年4月には水が完全に枯渇してしまう不安があるというのだ。英メディア『Metro』ほかが伝えている。
こちらでも昨年、南ア・ケープタウンが抱える水不足の問題と各宗教(イスラム、キリスト、ヒンドゥー、ユダヤ、仏教ほか)による雨乞いの儀式や事故の話題などをいく度かお伝えしていた。昨年5月下旬にダムの貯水量が20.7%という危機的な状況に陥ったことを受け、市は6月から制限レベルを“4”に引き上げて水の使用は飲料、調理用、必要最低限の洗浄に限るとし、庭の水やり、プールへの給水、洗車などは禁止となった。シャワーは1人2分以内。水洗トイレには雨水、風呂の残り水、食器を洗った水などを再利用する、などと定められていた。
こうして市民4百万人を対象にした一大節水態勢が整ったが、下水を飲んで体調を崩す者が現れた一方で、毎日1人あたり水の使用は87リットルまでという現在の規則を守っている人は41%しかいなかったことも分かった。さらに今ケープタウン市は乾期(10月~3月)にあり、貯水ダムの水位は枯渇に向かう一途である。そんなことを受けて先週パトリシア・デ・リール(Patricia de Lille)市長は記者会見を開き、各水道栓の蛇口から水が一滴も出なくなる日を“Day ZERO”と称し、