イギリスに住む4歳の女の子は病気のため、これまでクリスマスを自宅で過ごしたことが一度もなかった。ようやく今年、クリスマスを初めて自宅で迎えられることになったのだが「病院に戻りたい」と言い母を驚かせた。この子が病院でクリスマスを迎えたかった理由とは…。『Storytrender』『BBC News』などが伝えている。
ノーフォーク州ノリッチに暮らすリリーちゃん(4歳)は生まれた時に唇が青く、肌が黄色だったことから医師に新生児黄疸と診断された。一度は退院したものの回復する様子がなかったため、母クロエ・グレートレックスさん(24歳)が緊急外来に連れて行くと、検査で心臓に7つの穴が開いていることが分かった。リリーちゃんがスペインのバレンシア病院にて初の心臓手術を受けたのは、生まれてからわずか数日後のことだった。
リリーちゃんの父セルジオさん(27歳)はプロゴルファーという職業柄、一家で世界各地を周るという暮らしをしており、これまでアメリカやカナダ、スペインに数か月間滞在した。しかし免疫機能が弱いリリーちゃんは、各地で入院しなければならないこともしばしばで、これまで3回のクリスマスを米シアトルやスペインのバレンシア、トレビエハの病院で過ごしてきた。昨年のクリスマスも胃腸炎になったリリーちゃんは何度も嘔吐し、内出血を起こしているのではと医師を心配させたほどだったという。
今年はリリーちゃんにとって、初めてノリッチの自宅で迎えられるクリスマスとなる予定だった。ところがリリーちゃんは「病院へ戻りたい」と言いクロエさんを驚かせた。実はリリーちゃん、地元の病院「Norfolk and Norwich University hospital」に入院する患者のみんなを元気づけたいと思い、「今年は入院している人たちを訪ねるサンタのお手伝いをしたい」とクロエさんに話したそうだ。
リリーちゃんはまず、入院している新生児たちへの帽子を集め始めた。そして家族や友人らの協力を得て幼い子にはおもちゃを、10代のティーンにはネイルやメイクのセットなどを、また高齢者らには靴下や湯たんぽなども集めた。
これらの寄付が一気に増えたのはリリーちゃんが地元のショッピングセンターが主催する競技会に参加し、