“怪獣博士”の原坂一郎さんが10月24日放送のバラエティ番組『マツコの知らない世界』(TBS系)に出演して「良い子が育つ怪獣の世界」について熱く語った。彼は子どもの頃から50年間大好きな怪獣とともに歩んできて、今は家族と神戸に暮らす61歳のナイスミドルだ。若かりし頃は関西初の男性保育士として活躍した。
「怪獣のストーリーこそが子育てのためになる」と主張する原坂さんは、学校の教科書に「学べる怪獣」のエピソードを載せて欲しいという。マツコ・デラックスは「そこまではちょっと」と首をかしげるが、彼は「そんなことはないんです」と真剣に訴えた。
たとえば『ウルトラマン』の第37話「小さな英雄」は、人間に友好的な怪獣・ピグモンのエピソードだ。ピグモンが科学特捜隊に凶暴な怪獣たちが出現することを知らせ、一緒にビートル号で現場へ向かう。ところが怪獣ドラコを発見しながらイデ隊員はウルトラマンが来るのを頼りにして戦意を喪失する。ドラコはそんな彼を見つけて迫ってくるが、ピグモンが騒いでおとりとなりイデ隊員を救いながらドラコの一撃で絶命してしまう。
ハヤタ隊員に「科特隊の一員として恥ずかしいと思わんのか!」と言われて目を覚ましたイデ隊員は、ウルトラマンと力を合わせて親玉の怪獣酋長ジェロニモンを倒す。その後、隊員たちは「小さな英雄」としてピグモンに黙とうを捧げるのだった。
原坂さんはこのエピソードから「置かれた場所でベストを尽くそう」との教訓を学べるという。子どもたちの社会でも他者に頼ってしまい自分の存在感すら見失うことがある。「そんな時でも精一杯できることを頑張れば、周りも力を貸してくれるものだ」と説明した。
『ウルトラマン』の第20話「恐怖のルート87」では、ひき逃げ事故で命を落とした男の子がよく描いていた鳥の怪獣が“高原竜ヒドラ”として現実に現れ、車ばかりを襲って破壊する。ウルトラマンはスペシウム光線を放とうとするが、飛び去るヒドラの背中に男の子の姿を見て退治するのを止めた。
当時「車は走る凶器」と呼ばれて交通戦争が問題となっており、このエピソードからは「怪獣より恐ろしいものは身近にある」との教訓が得られる。
『ウルトラセブン』の第45話「円盤が来た」では、星を見るのが好きな青年が空に円盤の集団を発見したがウルトラ警備隊からも信じてもらえず落ち込む。するとペロリンガ星人が彼の前に現れて「君が見たものは正しかったのさ。人間なんてそんな動物さ」という話だ。
これから「偏見を持たず、人の言葉に耳を傾けよう」との教訓が学べるという原坂さん。保育士の経験から「特に子どもが言っても信用されず、否定されることが多い」と感じており、それにはマツコも共感していた。