7月5日から6日にかけて福岡県と大分県を中心とする九州北部で発生した集中豪雨で特に甚大な被害が出た朝倉市では、洪水で多くの家屋とともに思い出の品々までも流されてしまった。瓦礫から見つかったアルバムや写真を洗浄して持ち主のもとへ戻そうと活動しているのが朝倉高校の写真部だ。福岡県福津市出身のAKB48大家志津香が、地元の夕方ワイド番組『今日感テレビ』(RKB毎日放送)による“がんばろう朝倉市・東峰村”をテーマにその写真部を訪れた。
当時のニュースで濁流に飲まれる家屋や車両を見て胸が痛んだという大家、AKB48による東日本大震災の被災地訪問を続け「実際に見るのでは大きな違いがある」ことを感じたので、今回は「ここに来て自分の目で見たい」との思いがあったという。復旧活動のなかで発見されて持ち主が分からずに市役所に届いた写真は約1500枚にのぼる。朝倉高校写真部の部員たちは写真を1枚1枚、泥や砂を取り除きアルコールや水で洗浄して持ち主が分かれば戻す活動を災害直後から続けている。男子の部長はそのタイミングでやるべきか悩んだが、写真が劣化する前に「自分たちでできることをやってみよう」とインターネットで調べて始めたという。
彼らの活動を知って、東日本大震災などで同じような活動をしたボランティア団体や個人からアドバイスや工夫した道具の寄付など支援があった。ハケなどの道具で汚れを払い、洗浄する際に写真を傷めないように神経を使う。大家が「一日中座ってこれをやるのはすごく大変だと思うけど、ずっと続けられる活力って何からきてるんですか?」と聞くと、部長は「すぐに喜んでもらえるかは分からないが、そのうち時間が経って見てもらった時に昔の思い出を思い出してもらって、心の支えになったらと思う」と話す。
大家も女子部員に教わりながら体験してみると「クオカードを使うの?」「下の写真を傷つけないようにするのがすごく怖い」と苦心しながら1枚の汚れを払うことができ、「キレイになって気持ち良さがあるのがいいね、心が清々しいというか前向きな気持ちでできる」と励ました。