手術の際に使用したガーゼが、そのまま体内に放置される。そんな医療事故は日本でも時おり報告されている。しかしまさか内視鏡カメラが体内に置き忘れられることなど起こり得るのだろうか。訴えが事実だとすれば、米ジョージア州の大学病院を舞台に驚きの医療事故があったもようだ。
ジョージア州ディカーブ郡の州裁判所に提出された起訴状をもとに『The Atlanta Journal-Constitution』が伝えたところによれば、その医療事故が起きたとされるのはアトランタの「エモリー大学病院(Emory University Hospital)」。原告はアトランタ郊外のストーンマウンテンに暮らすラクリスタル・ロケットさんという女性である。彼女は2014年12月17日、この病院で腎臓移植と膵臓移植の手術を受けて同26日に退院。その際に体内に内視鏡カメラが残っていたため、半年間にわたり痛みに苦悶したと訴えている。
患者に対しては回復にはどれくらいの期間が必要で、痛みが無くなるのはいつ頃などと手術後に説明がなされるものだが、それを過ぎてもなおも痛みが続き、ロケットさんは移植手術から6か月目の術後定期検診で医師に相談。そこでやっと執刀医がロケットさんの体内に内視鏡カメラを置き忘れたことが判明した。ロケットさんには改めて開腹手術が行われ、問題のカメラが摘出されたという。