総合病院の手術室はあらゆる診療科が利用し、その待合室では家族らがじっと手術の終了を待っている。また診療科によっては私服で手術を待つ患者もいるのだろう。執刀の準備に入った医療スタッフが何より気をつけなければならないことのひとつに早合点による患者の取り違えであるが、このほど中国の遼寧省では…。
事件は瀋陽市瀋陽の「The Hunnan Hospital」で起きた。妻が帝王切開で出産することになり、ある手術室の前の待合室で40分間ほどじっと待っていた29歳のWangさん(それ以上の情報は明らかにされず)。1人の外科医がそんなWangさんを、痔の手術を待っている患者と勘違いしたことがすべての始まりであった。
手術室にWangさんを招き入れると「さぁ、ズボンを下げて」と告げる医師。理由を尋ねても「さっさと従って」と言われるだけで、Wangさんは“今時は夫も産みの苦しみを疑似体験させられるのかな”などと思ったという。言われるがままに従った後は麻酔をかけられ、下半身に何が起きたのかはよく理解していない。そのうちかなたから赤ちゃんの産声が聞こえ、Wangさんはベッドから起き上がったが、下半身にするどい痛みが走った。彼はそこで初めて痔の手術を受けていたことを知らされたという。
「妻の帝王切開手術は成功し、親子とも健康であることに病院には感謝しています。でも私には痔の自覚症状などなく、あれは完全な医療過誤です」と強い憤りを示すWangさんに、病院は75,000円ほどの賠償金を支払った。この病院では帝王切開も痔の手術もすぐ近くの手術室で行われているとのこと。同じ経験をした男性が他にもいる可能性は高いが、病院側は「子供でもあるまいし、言われるがままに下着を下ろす方がおかしい。執刀医はWangさんは痔だったと主張しており、責任の一部は彼にもある」としている。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)