毎年7月18日はネルソン・マンデラ・デーである。故マンデラ元大統領がアパルトヘイト政策と闘った“67年”を記念して、マンデラ氏の誕生日に「67分、誰かの幸福のために何かをしよう」と国連が2009年に制定した。国際デーでもあるこの日に、南アフリカで“大好きな教え子を幸せにするため”に靴を購入した先生がいた。『IOL News』が伝えている。
7月24日、冬休みが終わって元気に登校してきた小学生は、ある先生からの特別な贈り物に大はしゃぎだった。北ケープ州・キンバリーにあるレツェゴ小学校の5年生担当の女性教師が、クラスの児童全員に靴をプレゼントしたからだ。
マセチャバ・ジョセフィーン・モシアネ先生は2年後に退職を控えており、教師歴30年以上というベテランである。そんな彼女がマンデラ・デーのためにクラスの児童40名に靴を購入した。モシアネ先生は後に「靴屋は10足おまけでくれたので、それは本当に必要としている子供たちにプレゼントしたの」と明かしている。
学校では以前から学校用靴を扱っている店に靴の無償支援を依頼していたが、「支援をします」という回答をもらえても実現に至ることはなかった。そしてそのたびに児童たちは失望していたという。そんな状況を見ていたからこそ、モシアネ先生は児童のために靴を購入する決意をしたそうだ。
「教師として、児童が裸足や壊れた靴を履いて登校する姿を見るのはとても辛い」とモシアネ先生は明かしているが、レツェゴ小学校に通う児童は親のいない子や祖父母と暮らして福祉に頼っている家庭の子も多い。新しい靴を買う余裕はほとんどないであろう。