NHK連続テレビ小説『あさが来た』の五代友厚役でブレイクしたディーン・フジオカ(36)。劇中の彼の死を受け入られない人が続出し、“五代ロス”という言葉が生まれるほど人気を博した。そのディーンが一転、6月24日公開の映画『結婚』では結婚詐欺師を演じる。女性の敵とも言える役どころのディーンだが、20日に外国特派員協会(東京都千代田区)にて開催された同映画の記者会見では、屈託のない笑顔と流暢な英語で会場を魅了した。
ディーンが西谷真一監督とともに会場に現れると、待ち構えていた多くの報道陣から無数のフラッシュが光り、ディーンが「フラッシュがずっとたかれて目が見えなくなってきた」とコメントするほど。直木賞作家・井上荒野氏原作の同映画で、ディーンは主人公の結婚詐欺師・古海健児(うるみ けんじ)を演じる。西谷監督はディーンについて「本当にその役になりきれる役者。今回は振り幅を広げて、今までやったことない役で彼の色気を世の中に発信したい」と狙いを口にした。
ピアノを弾くシーンについて「本当に自身で弾いていたのか」と聞かれたディーンが「Yes,I did!」と元気に回答すると、会場から拍手が沸いた。「全部自分でやりましたよ。曲を弾きながら、セリフをしゃべりながら、相手のセリフを受けながら…というミュージカルみたいなアプローチは初めてやったので、すごく集中力の要る難しいシーンでしたね」と“初挑戦”を述懐した。
また今回の結婚詐欺師という役について「俳優がやっている仕事の内容は、詐欺師に近いものがあるなとは思っています。求められた役を求められた場所で求められたタイミングでやるプロフェッショナルな職業が俳優だとしたら、詐欺師は自分のエゴのために法律を破って人を傷つけているのでその違いは大きく両極端なものではありますけど、実際にやっていることというのは似ている部分があるなと。監督ともそんな話をしましたね」と俳優への職業観を語った。