環境のことを思いやる“エコカップル”が思いついたのは、自身の結婚披露宴の招待客に賞味期限切れの料理を振る舞うことだった。多額の費用をかけずに行われた披露宴は2人にとってより特別なものになったという。英『Metro』が伝えた。
欧米では「Something old(古いもの)、something new(新しいもの)、something borrowed(借りたもの)、and something blue(青色のもの)」を身につけると幸せになれるという言い伝えがある。普通「something old」と言えば、母から譲り受けたネックレスや、ウェディングドレスなどの身にまとうものを示すことが多いが、お祝いの席の食事で「something old」が使われることは滅多にない。
ところがこのほど晴れて夫婦となったセイゴ・ロビンソンさん(31歳)とロミルデ・コッツェさん(32歳)は、結婚式という特別な日に意外な「something old」を使うことを思いついた。
普段からエコ活動に熱心な2人は、大手スーパーなどで破棄されてしまう食材や賞味期限切れの食品を回収し、ホームレスや恵まれない人々に食事を提供している慈善団体「FoodCycle Cambridge(フードサイクル・ケンブリッジ)」の協力を得て、期限切れでもまだ十分に食べられるピザやカレー、チーズやフルーツ、その他カナッペなどのつまみ類を披露宴で振舞った。食にこだわりがないというセイゴさんとロミルデさんは「披露宴の料理と言えば、事前に何度も打ち合わせをして決めていくようですが、私たちの場合、当日までどんなメニューになるのかわかりませんでした」と話している。当日2人は食事の配膳も手伝い、ゲストらに特別な料理を提供した。
環境を思いやる夫婦は料理だけに限らず、ロミルデさんが着ていたウェディングドレスや結婚指輪、そして飾りつけも全て中古品を使うという徹底ぶりだった。セイゴさんは「ここまで徹底すると気持ちがいいものです。ロミルデのウェディングドレスは彼女の姉から借りたものですし、指輪だってごく普通のありふれたものですが、僕たちにとっては特別なんです」と語っている。その日の夜は大音量のスピーカーではなく、ワイヤレスヘッドホンで音楽を聴きながらダンスをする“サイレントディスコ”で締めくくったようだ。
食費は1人7.5ポンド(約1,090円)で賄われ、平均の披露宴の料理代金に比べて10,000ポンド(約145万円)以上の節約になったようだ。また招待客にはギフトの代わりに慈善団体への寄付をお願いし、残った食事はホームレス支援施設に持ち込んでいる。イギリスで結婚式の平均額は27,000ポンド(約390万円)と言われるが、2人はその3分の1の費用で済ませることができたという。