writer : maki

賞味期限切れの食品を食べるか否か。調査で見えた世間の実態「捨てないの?」、「五感を信じる」

2014年1月末に日清食品がカップ麺などインスタントラーメンの賞味期限の延長を発表した。日本即席食品工業協会が“まだ食べられる食品が大量に捨てられる”実態を懸念して、ガイドラインを見直したことが関係しているようだ。同時期にネットによる賞味期限が切れた食品についてのアンケート調査が行われた。大きくは「捨てる」か「食べる」かに分かれるが、その判断理由から消費者がどのように賞味期限をとらえているのかが垣間見えた。

農林水産省によると“消費期限”とは「弁当や洋生菓子など長くは保存がきかない食品」に表示され「開封していない状態で、表示されている保存方法に従って保存したときに、食べても安全な期限」だとされている。

“賞味期限”については「ハム・ソーセージやスナック菓子、缶詰など冷蔵や常温で保存がきく食品」に表示してあり「開封していない状態で、表示されている保存方法に従って保存したときに、おいしく食べられる期限」と解説されており、さらに「賞味期限を過ぎても食べられなくなるとは限りません」とある。

日本即席食品工業協会が賞味期限のガイドラインを改定したのも、そうした解釈に基づいて検討を重ね「少なくとも1~2か月の賞味期限の延長が可能」との結論に至ったものだ。

Yahoo!ニュースの意識調査がタイムリーに「賞味期限が切れてしまった食品はどうする?」という質問をしたところ、次のような結果が出た。

■賞味期限が切れてしまった食品はどうする?

・「見た目やにおいなどで確認して食べる」:39.9%(28,924票)
・「過ぎている期間によって判断して食べる」:52.1%(37,777票)
・「期限が過ぎていたら捨てる」:8.0%(5,872票)

(Yahoo!ニュース 意識調査調べ 対象は72,573人。実施期間:2014年1月30日~2014年2月9日)

「期限が過ぎていたら捨てる」と答えた者が8.0%で、なんらかの形で確認、判断した上で「食べる」という者に比べて圧倒的に少ない。このことから世間の多くが“賞味期限”の意味を理解していると考えられる。

寄せられたコメントでは「自分の五感を信じて食べます。実際、お腹壊したことなど生涯でありません」と言い切る者をはじめ、「五感を信じる」という内容が多いのに驚く。

中には「におい嗅いでペロッてして、問題なさそうなら咀嚼する。『なんか変な味する…』と思ったら飲み込む前に吐き出せばいい」、「3年くらい過ぎていても食べる。酸っぱいくらいなら食べれる。苦味があったら加熱するか食べる。乳製品で加熱不可は捨てている」などかなり冒険している者もいるようだ。

一方で“捨てる”という者は「捨てないのか…大丈夫なの?」と不安を感じたり、「大丈夫だとわかっていても、たぶん処分します」、「捨てます。お金よりカラダが大事」、「魚介肉類だけは期限が1日でも過ぎていたら食べません」といった意見を持っている。

「食べてみて、後で判断。おなかがグルグルなったら失敗」、「1年過ぎたジャム食べて腹壊しました」という者もいるが、「賞味期限内でも、保管状況によっては大当たりすることがありますので、ご注意ください」というから安易に考え過ぎ無い方が良さそうだ。

さらには「見た目やにおいで判断するのは危険。食中毒菌の多くはにおわない。形や色が変わるのはもはや腐敗。食中毒菌はわずかでも体内に入ったら増殖する。見た目に変化がなくても食中毒は起こり得る」といった情報も届いている。

最終的には“自己責任”によって「捨てる」か「食べる」かを判断することになるが、食品によっても状況が違うので正しい情報を得ることが必要だ。

冒頭で触れたカップ麺などインスタントラーメンの賞味期限の延長については、“カップ麺は従来よりも1か月延長。袋麺は従来よりも2か月延長”される予定だ。こうした乾物は食中毒の危険性も少ないので消費者も対応しやすい。

日本では年間約500~800万トンもの“まだ食べられる”食料が捨てられているとのデータがある。レストランなど飲食業やコンビニで廃棄する食料品が「もったいない」と取り上げられることもあるが、やはり家庭で捨てられる食品の総量は膨大だという。そうした面からも各家庭で賞味期限について改めて考えたいものだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)