ナオミ・グインちゃんとアイザック君は8歳になる双子の姉弟である。ナオミちゃんはある日、いつも行く公園に新しい遊び場ができていることをとても喜んだ。しかし喜びも束の間、失望へと変わった。弟アイザック君ためのブランコが設置されていなかったからだ。
アイザック君は自閉症と学習障害を持っている。母のミリアムさんによると、バランス感覚が乏しいアイザック君はブランコに乗る時には後ろに反り返って落ちないように脇の鎖を持つという意識がなく、危なくて乗ることができないそうだ。
そんな弟のことを誰よりも知っているナオミちゃんは、普通のブランコしか設置されていないことにショックを受け、協議会宛てに「公園を作った人へ」と題してこのような内容の手紙を書いた。
「新しい公園が大好きです。でも、障がい者用のブランコもつくってもらえませんか? 私の弟アイザックは、小さい子用のブランコに乗るには大きすぎるし、大人用のブランコは鎖を持つことができないので乗れません。弟はブランコが好きなんです。どうしてアイザックのことを考えてくれなかったのですか。私たちはとても悲しいです。」
手紙を見たミリアムさんは、それをツイッターに投稿した。すると何百ものリツイートがあり、サウスランカシャー州協議会はこの内容を真剣に検討したのである。
そして3月23日、ナオミちゃんが手紙を書いてから1週間も経たないうちに公園に障がい者用の特別なブランコが設置された。公園に2人を連れて出かけたミリアムさんは娘の夢が叶えられたことを知って号泣し、ナオミちゃんもアイザック君のための特別なブランコを見て大喜び。アイザック君本人も新しいブランコへとすぐに走り寄り嬉しそうに乗ったそうだ。
「ナオミの喜びは半端ありませんでした。アイザックに乗り方を教え、背中を押してやっていました。あのブランコが設置されてから私たちは3回も行きましたが、もちろんアイザックは毎回ブランコに乗って遊んでいます。協議会には感謝の気持ちでいっぱいです」とミリアムさんは嬉しさを隠せない。
幼い子供ができることには限りがある。しかしナオミちゃんの弟を思う訴えは大人の耳に届き、実現可能となった。ニュースを知った人から「『誰かのために声をあげる』というナオミちゃんのような人が社会にはもっと必要だ」との声もあがっているが、今回は何より子供の願いを聞き入れて検討し、素早い対応をした協議会は称賛に値するといえよう。
出典:http://www.mirror.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)