
妊婦のケイリー・ベタニーさん(20)は今年1月、コルチェスター動物園を夫のキーランさん(21)と訪れた。オランウータンのラジャンの前に立ち、大きなお腹をガラス越しにくっつけてみせると、ラジャンがゆっくりと近づいてきた。
シャツがめくりあげられパンパンに突き出したお腹に興味津々の様子でやってきたラジャンは、大きな顔を近づけてじっと観察すると、ケイリーさんのお腹を手で優しく撫で始めた。その後、赤ちゃんの声を聞こうとしたのかお腹に耳を近づけるしぐさを見せる。そしてそっと愛おしそうにキスをした。
この様子はケイリーさんによってFacebookに投稿され、1600万件以上の視聴が記録されている。
ケイリーさんは「オランウータンがこんな反応をするなんて、本当に驚きました。目にはうっすら涙を溜めていたように見えました」と当時を振り返る。この時ケイリーさんのお腹にいた赤ちゃんは、今年3月に誕生。ブルックと名づけられた赤ちゃんが、このたびラジャンとの再会を果たした。もちろんブルックちゃんがオランウータンを目にするのは初めてだったが、ケイリーさんのラジャンに対する思い入れは相当深いようだ。
ちなみにラジャンが妊婦に優しくキスする姿を捉えたのは、これが初めてではない。昨年7月、当時妊娠37週だったメイジー・ナイトさんもラジャンからキスの祝福を受けたひとりだ。メイジーさんはその時の様子をYouTubeに投稿し「ラジャンは特別な存在。温かい気持ちになりました」とコメントを残していた。
ラジャンは12歳だった1980年にチェスター動物園からやってきたオスで、スマトラ種とボルネオ種の混血だ。母親はラジャンが1か月の時に死んでしまったため、チェスター動物園職員の手によって育てられたという。
飼育係のポーラ・フェアウェザーさんは、ラジャンについてコルチェスター動物園のウェブサイトでこう綴っている。
「ラジャンはとても人懐こくて私たちと触れ合うことが大好きなのです。私たちが檻を掃除している時に、ラジャンに泡の入ったバケツと布切れを渡すと、見よう見まねでガラス窓を拭いてくれます。」
「私たちが花を植えていた時、ラジャンにも植木鉢と土、木の枝を渡してあげたことがありました。するとラジャンは植木鉢に土を入れ、その中に木の枝をきちんと植えていました。」
ラジャンのキスが話題になっていることに対しては「ラジャンは好奇心旺盛。特におへそや大きなお腹が大好きです。動物園を訪れる妊婦さんと触れ合うことをとっても楽しみにしているようですよ」とコメントしている。
今後、癒しのラジャンに会いにやってくる妊婦さんが増えるのは間違いないだろう。
出典:http://www.dailymail.co.uk
(TechinsightJapan編集部 A.C.)