チンパンジーの幼年期における創意工夫、機転、知恵において、オスとメスの間に大きな差があることがわかった。ヒトにおいても“男の子の方が精神的に幼く、女の子はおしゃま”などといわれるが、どうやらそれはおマセなマンガやTV番組など後天的な影響によるものだけではなかったようだ。
成熟したメスのチンパンジーの道具使用、賢さはこれまでもさまざま報じられてきたが、幼い年齢のチンパンジーにおいてもオスよりメスの方が真面目で機転や知恵が働く…そんな事実がこのほど科学誌『Plos One』に発表された。
野生チンパンジーの複数のオスとメスにいくつかの見慣れないオブジェクトを与え、それをどう扱うか観察し、正しく処理するまでの時間を測りながらオスとメスを比較したその実験。オスたちはリラックスムードでオブジェクトと“遊ぼう”とするため課題のクリアに多くの時間を要したが、一方でメスたちは真面目さを見せた。噛む、壊す、運ぶなど、オブジェクトを前にさまざま知恵と手段を展開したという。
白亜紀末期頃からの霊長類の進化。ヒトに関してもよく“女児は口が達者。おしゃまでおマセ”、“小学校あたりまでは女子の方が言葉の理解力が高いため、コミュニケーション能力が高い”、“女子は手先が器用で創意工夫がある”などと言われるが、それは霊長類のメス全般に備わった本態的な能力の高さにほかならないとまとめられた。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)