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writer : tinsight-suzukoellis

【海外発!Breaking News】18年間、ゴリラと家族のように暮らす夫婦(仏)

ペットを飼うことは、癒し効果があるだけでなく健康にも良いことがアメリカの研究で明らかになっているそうだ。ペットを通して思いやりや愛する心が育まれると言われる。飼い主の中には「ペット=家族」であり、かけがえのない存在という人も少なくない。大抵は犬や猫が最も一般的なペットとして挙げられているが、特別指定の爬虫類やクマ、トラなどを飼っている人も世界には存在する。このほどフランスのリヨンに、ゴリラと共同生活を送っている夫婦がいることを英紙『Daily Mail』などが伝えている。

フランスの都市リヨン郊外に暮らすピエール・ティヴィヨンさんと妻のエリアーヌさんは、1972年から動物公園を運営している。現在は2008年に創立された「トンガ受け入れの地」という動物の聖地で、サーカスでの不当な虐待を受けた動物や経営困難に陥った動物園の動物などを引き取り、保護活動に当たっている。ティヴィヨンさん夫妻が世話しているのはトラ、ライオンやスノーレパード、テナガザルにゴリラなど千頭を超える。

そんなティヴィヨンさん夫妻は現在、18歳になるゴリラと一緒に暮らしている。“ディジット”と名付けられた雌ゴリラが、子供のいないティヴィヨンさん夫妻のもとにやってきたのは今から18年前のことだった。

母ゴリラに捨てられたディジットは小さく、体重も2kg弱だったという。「このゴリラを養子にしよう」と決心した夫妻は、ディジットに哺乳瓶でミルクを与えるなど懸命に世話をしてきた。

動物に関しての知識があるとはいえ、自宅でゴリラ飼うのは容易いことではない。ティヴィヨンさん夫妻は、2013年にメディアのインタビューで驚くべきことを話している。

「ホリデーや外食、映画鑑賞などは行ったことがありません。たとえ数時間でもディジットを置いて家を空けたことはないですね。放っておくと危険とかいうことではなくて、私たちが出かけるのをとにかく寂しがるんですよ。ディジットが悲しめば、私たちも悲しいからね」と語ったピエールさんは、目を細めてまるで我が子を見るような眼差しでディジットを見つめる。その姿はまるで父子だ。

普段のディジットは夫妻が暮らす家に隣接した特別な専用舎で過ごすそうだが、一緒に眠りたがってティヴィヨンさん夫妻のベッドに潜り込んでくることがあるという。しかし現在のディジットは体重130kg超という巨体になり、押し潰されないようにするのは至難の業だ。

これまで心身ともに深い傷を負った動物たちの保護を懸命に行って来たティヴィヨンさん夫妻だが、十年以上もの間、一度も夫婦2人で出かけていないというのは驚くばかりである。それだけ動物たちへの献身精神があり、何よりディジットを我が子のように愛情を注いでいるからこそだろう。

体は大きくてもまだまだ甘えたい盛りのディジットだが、自立精神も養われているというティヴィヨンさん夫妻の言葉の裏には、ディジットの成長を楽しみにする気持ちがあるようだ。今後も共同生活を続けていく予定の夫妻だが、「野生動物はやっぱり囲って生活させるべきではない」「高齢者のようだけど、もし先にあの世へ行ってしまったら人馴れし過ぎたディジットはどうなるの」といった批判の声もあがっている。

出典:http://metro.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)