「上空1万メートルでハイジャック」と聞くとまさに非常事態である。ところがこのハイジャックでは、全ての乗客と乗務員が笑顔。このほどオーストリア航空機内で、ウィーンのカップルがひょっとすると史上初となる空の上のサプライズ・プロポーズ、その後ウエディングセレモニーを行った。
たくさんの協力者のもとサプライズ・プロポーズをするというのは、現在ではよく耳にするだろう。大勢の人を巻き込めば巻き込むほどプロポーズする本人も緊張だ。見守っている多くの人もドキドキとワクワクが止まらない。
英紙『Daily Mail』などが報じたところによると、幸せのハイジャックを計画したのはウィーン在住のユルゲンさん。彼は空の上でのプロポーズを夢見ていた。そのためオーストリア航空に直談判。航空会社の承諾を経て、恋人のナタリーさんに同僚とホリデーに行くように仕向けた。もちろんこの同僚も仕掛け人の1人だ。
何も知らないナタリーさんは、ユルゲンさんを置いて同僚とギリシャ、アテネへのホリデーに出発した。非常口の横に座っていたナタリーさんだが、飛行機が離陸して安定するや否や機内アナウンスが。そして「アテンション・プリーズ」の後に、いきなり聖歌隊のコーラスがブルーノ・マーズの『Marry You』を歌い出した。
何事かと驚いているナタリーさんの前に、タキシードを着たユルゲンさんが現れた。実はユルゲンさんとナタリーさんの家族たちはナタリーさんに見つからないように飛行機に搭乗し、機内後方で待機していた。機内の搭乗客はほとんどがこのサプライズ・プロポーズの仕掛け人となっていたのである。
ひざまずいて指輪を差し出すユルゲンさん。「結婚してほしい」のプロポーズに、ナタリーさんは間を置かずに「イエス!」と答えた。ナタリーさんはエストニア出身でモデルをしており、そのスタイルの良さは言うまでもない。美しいナタリーさんに更なるサプライズが待ち受けていたが、それは機上でのウエディングだった。
なんと立会人も搭乗していたため、れっきとしたオフィシャルなウエディングセレモニーが行われた。プロポーズが快諾されることを予想していたのだろう、ユルゲンさんはナタリーさんのウエディングドレスまでも用意していた。乗務員に手伝ってもらい、ギャレーで着替えた花嫁の美しいドレス姿に乗客や乗務員一同は感動を隠せない。
狭い通路がヴァージンロードとなり、無事にセレモニーを終えた2人。ユルゲンさんはウエディングケーキをあしらったハート型のクッキーとシャンパンを他の乗客に配るというサプライズまで用意していた。
同僚とのホリデーでアテネに行くつもりだったナタリーさんだが、この非常事態によりホリデーはハネムーンに変更。アテネ国際空港に着くと、ナタリーさんは感謝の気持ちを込めてブーケトスし、乗務員一同と記念写真も撮影した。
ナタリーさんは後にFacebookで「搭乗する時は同僚とのホリデーだとてっきり思っていたのに、アテネに着いたら人妻になっていました! 今回、協力してくれた航空会社と全ての人に感謝します」と綴っている。
出典:http://www.dailymail.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)