夫婦不和の話題に何かとつきものな「マザコン」という言葉。「夫が母親を大切にしすぎる」と嘆く女性はゴマンとおり、男性側が「そんなことは断じてない」と言い切れないのもまた事実である。このほど中国河北省の小さな村を大洪水が襲ったが、ある男性がみせた咄嗟の判断と行動が中国全土の“妻”たちを激怒させている。

19日深夜、河北省シンタイ市の大賢村は暴風雨のため付近一帯が大洪水に見舞われ、17名の死者を出した。そんな中でGao Fengtaiさんという男性の一家を襲った“二次被害”の話題が人々の大きな関心を集めている。大洪水を前にした彼の行動がきっかけで妻が激怒。愛するわが子を連れて家を出て行ってしまったのだ。

地元の気象台に勤務するFengtaiさんはその日、村に危険な状況が迫っていることを知ると、帰宅途中にひとりで暮らしている老いた母親の家に向かい、トラックをその家の横に3時間も停めて万が一の際に備えようと待機した。しばらく静かな様子に彼は自宅に戻ったが、深夜になるといよいよ「洪水が迫っている」とのアナウンスが鳴り響き、Fengtaiさんはまたもや母親のもとへ。母親の安全を確保すると再び自宅に戻ったが、自宅では残された妻が自宅のドアや窓から水が浸入しないようブロックなどで固めていたという。

妻に、4歳の娘と2歳の息子、そして身体に障がいがあるため同居しているFengtaiさんの父親の手を引いて屋根の上に避難するようにと指示すると、Fengtaiさんは再び去って行った。妻子より母親が心配なFengtaiさんに怒りではらわたが煮えくり返ったという妻。洪水の騒動が収まると彼女は荷物をまとめて子供の手を引き、現金3万円ちょっとを持ち出して家を出てしまった。

この件について、「最初に自宅で家族全員を屋根の上に連れて行き、それから母親のもとに駆け付けることもできたのでは？」というメディアの問いかけに、Fengtaiさんは「一緒に住んでいないだけに母親がやはり心配でした。手順がまずかったことは後悔していますが、妻の心がそんなことで冷え切ってしまうとは想像していませんでした。私の両親の世話もよくしてくれる良い妻でしたから」と話している。

そしてFengtaiさんは「仮にあの時、私が老いた母を見捨てたとしたら、それは私の人生において悔やんでも悔やみきれない出来事としてずっと私を苦しめると思います。そして同じように人々から非難されるのでしょう。とりあえず妻の実家を訪ねて許しを請うつもりです」と続けた。ことの顛末を知った「微博（ウェイボー/weibo）」のユーザーたちは「あなたなら母親と嫁のどっちを取る？」「夫が同じことをしたら私も許さない」などと大論争を繰り広げている。

出典：http://shanghaiist.com
（TechinsightJapan編集部　Joy横手）