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writer : ac

【海外発!Breaking News】死を招く食中毒菌の汚染拡大 日本でも販売(米)

アメリカ・ワシントンに本社がある大手冷凍食品製造会社「CRF Frozen Foods」は、同社の製品がリステリア菌に汚染されている可能性があるとして今年4月から商品の自主回収を行っていた。だが今月に入り、リコール対象はさらなる広がりを見せている。

リステリア(リステリア・モノサイトゲネス)は腸管内や環境中に広く分布し、食品を介して感染する食中毒菌で、免疫系統が弱っている幼児、妊婦や高齢者などが感染すると死に至ることもある。海外では、乳製品、野菜サラダ、加熱不足の食肉、調理済み魚介類などでの食中毒が報告されているが、日本でも2001年に北海道でナチュラルチーズによるリステリア感染症の集団発生が起きている。また、2015年には米大手アイスクリームチェーン店がリステリア菌の汚染で全店閉鎖に追い込まれていた

今回問題となった「CRF Frozen Foods」のリステリア菌による商品の汚染は、オハイオ州の農務省による検査により発覚した。これまでにリコールされた商品はCRFパスコ(Pasco)工場で2014年5月から現在までに製造された42ブランドで、358種類もの冷凍野菜や冷凍果物が対象となっている。CRFパスコ工場の製造ラインは4月25日をもって停止されたままだ。

アメリカ食品医薬品局(FDA)は、リステリア菌に汚染された食品を食べた8人が食中毒症状を訴え入院し、そのうちの2人が死亡したと発表。2人の死亡とリステリア菌の因果関係は明らかにされていないが、商品はアメリカ50州だけでなく、カナダ、さらには日本でも販売されているという。感染すると高熱、頭痛、吐き気、腹痛、下痢などの症状が現れ、重症化した場合の致死率は20~30%と非常に高い。

4℃以下の低温、12%食塩濃度下でも増殖が可能なリステリア菌は、加熱によって菌は死滅するが、製造ラインに定着すると長期にわたって汚染が続くことでも知られている。米国では食中毒で死に至るケースの約43%はこの感染症が原因であるとされ、消費者は大手製品のリステリア菌汚染にショックを隠しきれないようだ。

出典:http://www.cbsnews.com
(TechinsightJapan編集部 A.C.)