大勢の乗客とともに数日間の行程をともにする豪華客船の旅。そこで何より怖いのは食中毒やインフルエンザの発生と言われているが、感染性胃腸炎も実は侮れない。このほどイギリスから豪華客船でクルージングの旅に出た人々がそれに苦しめられてしまったようだ。
1,163名の乗客のうちノロウイルスによる感染性胃腸炎の発症者がなんと300名を超え、英サウサンプトン港への帰港を与儀なくされたのは、イギリスを拠点とするクルーズ会社「Fred. Olsen Cruise Lines」の豪華客船「バルモラル(Balmoral)」号。フィヨルドを満喫しながらの8日間のノルウェー・クルージングツアーは、残念ながら船長の判断で中断が決まった。
高齢の参加者も多いその船内は気分が悪くグッタリとした人々だらけで、吐き気や激しい腹痛を催した人々が次々とトイレに駆け込む始末。4人に1人が発症とあっては旅行を楽しんでいる場合ではなくなってしまった。最初の発症者が確認された翌日には75名が感染、その翌々日には150名が感染とほぼ倍のペースで蔓延し、普段から安全・衛生・乗客の健康管理に細心の注意を払ってきたという同社も感染力の強いウイルス性疾患の蔓延だけは防げなかったようだ。
また医療・旅費の補償についてもこじれてしまったとのこと。客室のグレードにより15万円~30万円、あるいはそれ以上を支払ってこの旅行に参加したこのたびの乗客たち。彼らは一様にクルーズ会社や旅行代理店の補償内容に不満を漏らしているが、感染性胃腸炎は食中毒とは異なり責任の所在があいまいである。団体旅行中にこうしたトラブルに見舞われた場合、各自が加入した旅行保険の補償内容次第で満足度に大きな差がつくことは否めない。
※ 画像はdailymail.co.ukのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)