職場の同僚が揃って鼻をつまみ、顔をひどくしかめる。「何を食べたらそんな臭いオナラが出るんだ?」。強烈なオナラの臭いを理由に職場を解雇されたある男性。米・連邦裁判所でこのほど始まる雇用差別訴訟に注目が集まっている。
その裁判は米ニュージャージー州トレントン市在住のローアン・クレムさんが、夫リチャード・クレムさんに代わり、ポークロールを作る食肉加工メーカーの「Case Pork Roll Co.」を訴えたもの。リチャードさんは同社に勤務していたが、あまりにも頻繁にオナラをし、その悪臭が強烈であることを理由に昨年2月28日に解雇されていた。
同州のメディア『nj.com』が伝えているところによれば、リチャードさんは190kgという巨漢ゆえ胃のバイパス手術を受けたが、それ以来お腹に大量のガスが貯まり、下痢に苦しむようになった。そのうち同社の代表トーマス・ドラン氏から「うちは豚肉を加工するメーカーだが、君の放つオナラの臭いは完全にそれを超えている。こんな環境では同僚たちも大迷惑、訪問客に対しても恥ずかしいことこの上ない。どうにかならないのか」と非難されるようになり、解雇を言い渡されたという。
実はローアンさんとリチャードさんは当時、夫婦そろって同じ職場に勤めていた。そのためローアンさんは夫を取り巻いていたそうした職場の雰囲気をよく知っており、「あれは不当な解雇。夫に対する差別行為があった」として先月、同社への提訴に踏み切った。リチャードさんの身体的な事情ゆえ、「障害を持つアメリカ人法(Americans with Disabilities Act)」を盾に闘い抜くつもりだという。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)