今月18日、ウーマンラッシュアワーの村本大輔に対するストーカー行為で24歳の女子大生が逮捕された。執拗なつきまといに遭っていた村本に同情する一方、同業者からは「昔はそういうことがよくあった」と一蹴される声も聞かれた今回の事件について、当の被害者である村本がその恐怖の実態を語った。村本は一連のストーカー行為を「ちょっと面白い、過激なファンの話ではない」と強調したうえで「刺される夢を何度も見た」とノイローゼ状態に陥っていたことを告白。「何かされてからじゃ遅い」とストーカーに対する規制の強化を訴えた。
27日深夜に放送されたニッポン放送『ウーマンラッシュアワー村本大輔のオールナイトニッポン』の冒頭で、先日話題となった“ストーカー事件”について触れた村本大輔。これまで「警察の絡みがある」ため公に語ることができなかったという今回の事件だが、逮捕で事件が収束に向かったことにより事実を語ることができるといい、衝撃の内容を明かした。
報道では「女子大生が家に3回押しかけた」とされたこの事件、そこだけを聞くと「芸能人にはよくある、熱狂的なファンの行為」として片づけられがちだが、実際は決して笑える話ではない。村本は「ちょっと面白い、過激なファンの話ではない」と説明。この2年間はストーカーに刺される夢を何度も見たり、街中でストーカーが見える錯覚に悩まされたりと、半ばノイローゼ気味になっていたという。
事の発端は約2年前。中目黒に住んでいた村本が仕事後にポストを見ると、そこには青いバラとチョコレート、そして「退屈させないでね」と書いた手紙が。「ドッキリか」と思いマネージャーや芸人仲間に尋ねたが誰もしておらず、そこで初めてストーカーの存在を疑いゾッとしたという。しかし“ここでビビったら余計来るかな”と思った村本は、すぐツイッターに写真と花をアップし「俺はチョコは食べへんぞ、花も好きやない、Amazonカードをくれ」「俺のほうを退屈させんなよ」とツイート、犯人を攻撃した。
そこからしばらく何もなかったものの数日後、再びポストに黄色の花とチョコレート、コンドームが一緒に入れられていたのである。また、手紙も添えられていたが内容は真っ黒。だがよく見ると「紙が真っ黒になるまで僕の住所がブワーって書かれてた」という。これを見た村本は、あまりの衝撃と恐怖に思わず失禁してしまったそうだ。
それ以来ツイートすることも怖くなり、後輩芸人と一緒に帰るなどの対応をしていた村本だが、またもやポストに花が入っており、今度は赤い花と共に「ヒント、信号です」と手紙が。今までのことを思い返した村本は「青、黄色、赤」と送られた花に危機感を感じ、その後しばらくビジネスホテルでの生活を続けたという。
しかしある日、村本は番組の企画で自宅に戻らなければならなくなった。無事収録が終わり寝ようとしたところ夜中の2時頃に突然チャイムが鳴り、モニターを見ると“キツネのお面を被り黒い服を着た女”が立っていた。「捕まえてやろう」と武器代わりの傘を手に外へ飛び出し追いかけたが、逆に女性が紙袋に手を入れながら足早に近づいてくるではないか。恐怖に固まった村本の耳元で女性が「(部屋の)中へ入れろ」というのを断ると、女性は舌打ちをして戻っていった。村本は意を決し、去っていく女性を追いかけながら携帯で警察を呼び、被害届を提出する。
その後犯人が特定され、本人やその両親に「近づかないように」との警告が出された。だが実際はその後も村本の出演する劇場などに度々同じ女性が現れており、警察に通報するも「証拠が十分でないから逮捕できない」と言われ泣き寝入り状態だったそうだ。その他にも村本や彼の両親の悪口を言ったり、過去に関わりのあった友人や女性に近づき徹底的に調べ、その人物になりすまして手紙を送ってきたりするなど被害は止まるどころか悪化。結局、村本は後輩芸人の協力を得て自力で待ち伏せするストーカーをムービー撮影し警察に提出。後日、劇場裏にいる犯人を発見して通報し身柄確保に至ったという。
被害者としてストーカーの恐怖を身をもって感じた村本は、現在のストーカー規制法や警察の対応についても十分でないと指摘する。「むこうの住所は教えてくれないんですよ、僕の住所はむこうは分かってるんですよ、これが不利なわけですよね」「加害者が守られてるんですよ、今の法律じゃ。何かされないと逮捕されない。ということは僕の刺され待ち、何かされ待ちなわけですよ。こんな不利な話ない」と語り、「ストーカーに対して緩いんです」と語った。また、ストーカー行為の加害者が比較的早く釈放されてしまう現状を語り「何かされてからじゃ遅いんです」と繰り返し訴えた。
その他にも、タクシーに乗ると降りるまで走ってついてくるという“足早いババア”、アロマの臭いを嗅がせてくる“アロマババア”など、複数の熱狂的すぎるファンを紹介した村本。50代のストーカーもいると語り「(今回逮捕された女子大生が)ラディッツ、50歳くらいのおばちゃんはフリーザ」とドラゴンボールのキャラクターでその被害の大きさをたとえた。最後まで芸人らしく笑いを交えながら一連のストーカー行為を語った村本だが、その恐怖の大きさは計り知れない。村本以外にも芸能人、一般人問わず悪質なストーカー行為に悩む被害者は多く、一刻も早い規制の強化を望むばかりである。
(TechinsightJapan編集部 根岸奈央)