エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】映画『永遠の0』が本編ノーカットで地上波初放送。「いつもより1時間繰り上げる」特別編成。

大ヒット映画『永遠の0』が地上波初放送されることが分かった。『金曜ロードSHOW!』(日本テレビ系)の告知によると、7月31日(金)に従来の放送時間を繰り上げて放送するという。原爆の日、終戦の日が近づくこの時期にはテレビでも戦争を取り上げた番組を放送することが多いが、「安保法制」への関心が高まるなかでさらに注目されることとなりそうだ。

7月24日に放送された『ターミネーター3』の後で、次回7月31日(金)は映画『永遠の0』を本編ノーカットでよる7時56分より放送することが予告された。『Facebook 金曜ロードSHOW!(日本テレビ)Friday road SHOW. NTV Tokyo』でも「少しでも多くの方にご覧いただくため、いつもより放送時間を1時間あまり繰り上げて、よる7時56分から本編ノーカットで放送します。お間違えなきようにお願い致します」と念を押している。「日本が涙した感動の超大作。この機会にぜひご覧ください!」というのがその大きな理由だろう。

従来ならば8月を前にして戦争に関する作品がテレビで放送されることから本作の放送は早くに決まっていたはずだ。しかし、集団的自衛権行使容認を含む安全保障関連法案が衆議院で可決され、世論でも賛否の意見が飛び交うなか、7月27日には参議院での審議が始まる予定となっている。そのタイミングで映画『永遠の0』を放送するとあって、『金曜ロードSHOW!』の関係者もここまで力を入れたのではないだろうか。

映画『永遠の0』は百田尚樹氏の小説を原作に山崎貴監督が映画化して、2013年12月21日から公開された。太平洋戦争を舞台に零戦搭乗員の悲劇を描いた本作では、岡田准一(V6)演じる特攻隊員が生きて家族のもとに帰りたいと願いながらも、零戦に乗って部下のために自らの命を犠牲にする。公開後に、映画監督の井筒和幸氏は「特攻を美談にするような描写に納得できない」と批判。それに対して百田氏がツイッターで反論するという出来事もあった。

一方、百田尚樹氏はインタビューのなかで、小説『永遠の0』を書こうと思い立った動機を語っている。自身の父親や叔父が太平洋戦争を経験しており、その話を子どもの時から聞いてきたが、これからそうした経験を語る人々がいなくなる。直接話を聞いた世代として次につなげたいと書いたものだ。また、作品中で「生きる」ことを問えるのではという。井筒氏には「特攻を美談にしている」と映ったが、作者の真意と同じではない。しかし、それは全ての作品にあり得ることだ。

百田氏は基本的に安倍首相を支持しており、今回の安保法制についても賛成派として知られる。しかしながら、映画『永遠の0』を観た人々が戦争についてどう考えるのか、また、そこから安保法制にどう関連づけるかはそれぞれで違ってくるだろう。

7月31日(金)よる7時56分から『金曜ロードSHOW!』で放送される映画『永遠の0』に、視聴者からどのような反響があるのか興味深い。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)