お笑いコンビ・オアシズの光浦靖子が2日かけて制作したという「ブスの分布図」が、お蔵入りの危機に瀕している。『FNS27時間テレビ』の“超人気芸人が本気のプレゼン大会”で、彼女が取り上げたテーマ「テレビとブサイクの許容範囲の秘密」のために用意した資料なのだが、時間の都合でカットされてしまったのだ。主旨の部分が省かれたためか、舞台から下がった光浦は悔しそうな表情を浮かべていた。
7月25、26日に放送された『FNS27時間テレビ』(フジテレビ系)の2日目、面白いテレビを作るためにはどうしたら良いのかを真面目に考え、それぞれの立場で提言・苦言をプレゼンするコーナーが設けられた。“超人気芸人が本気のプレゼン大会”というだけあって参加者は田村淳(ロンドンブーツ1号2号)や堀内健(ネプチューン)、カンニング竹山らそうそうたるメンバーである。その中で女芸人からただ一人、光浦靖子が選ばれていた。
自分の発表が終わってから、「実は舞台に出る前にスタッフと喧嘩をした」と真剣な表情の光浦。「テレビとブサイクの許容範囲の秘密」というテーマを取り上げた彼女が、実際に話すことができたのは相方の大久保佳代子がデビューして間もない頃、ある番組ディレクターから“笑えないブスだから”とレギュラーにしてもらえなかったエピソードである。大久保はデビュー当時からブサイクという自覚が無かったためか、“女”を感じさせる仕草が出ていたらしい。一昔前までは「ブサイクが女を出すと気持ちが悪い」「女を捨てない芸人は笑えない」という風潮があり、バラエティ番組のスタッフらは現場に“女”を感じさせる芸人を入れることを拒んでいたのだ。
その大久保が、2014年『番組出演本数ランキング』(ニホンモニター調べ)で女性部門のトップに躍り出るほど大ブレイクを果たしたのは「ブサイクの許容範囲が広がってきた」からだと光浦は見ている。「あの大久保が“イイ女を気取っている”」と注目が集まり、“女”の部分を出せば出すほど面白がられるようになってきたのだ。そして今年の『FNS27時間テレビ』で88kmを走るマラソンランナーに任命された大久保は、“日焼けだけは絶対にしたくない”との条件を提示したらしい。彼女の要望は聞き入れられ化粧直しの時間も確保するなど、スタッフは大久保の「女性としての願い」に柔軟な対応を見せた。昔のバラエティ番組では、絶対に考えられないことだという。
光浦のプレゼンが終わりの部分に差し掛かると、モニターには突然、顔は白塗りで髪を文金高島田に結い、角隠し姿の大久保が大映しになった。トレーニングウェアのまま頭部だけ和装の花嫁のヘアメイクを施し、黙々と走っている姿に観客席から笑いが起こる。日焼け対策としながらも、芸人として笑いが取れる扮装をさせられた大久保。持ち時間がカットされることになった光浦だが、この流れにつなげるため省く部分を選ぶことができなかったのだろう。
それにしても光浦のプレゼンは、見事だった。体験談を話し、自分の考えをコンパクトにまとめながら歯切れよく説明。直前に内容の変更を求められても的確な判断で対応し、本番を滞りなく終えたのである。しかし観客席に戻った光浦は「2日かかって作った『ブスの分布図』っていう凄いのがあったのに、裏でスタッフから“時間が無いのでカットします”って…」と怒りをあらわにした。番組の事情は理解しつつも、気持ちの整理がつかなかったのだろうか。
この件についてツイッター上では「光浦さんのプレゼン素晴らしかったから、ブスの分布図が見れなかったのは残念だな」「光浦さんの例の分布図をどこかでやってほしい」と、他の機会での公開を求める声が多い。最近は、ある女芸人が“ブスと言われるのが嫌”だという理由で、バラエティ番組への出演を拒否しているというニュースがネットで物議を醸したばかり。こんな時期だからこそ、光浦の「ブスの分布図」をお蔵入りにして欲しくはないのだ。
(TechinsightJapan編集部 みやび)