このほど米フロリダ州ブレバード郡で、勤務中の救急隊員がとんだ暴挙を働いて逮捕・起訴された。救急車での搬送に安易に頼った病人の側にも問題があったとみられているが、あまりにも乱暴な隊員のその行いは大きな波紋を広げている。

フロリダ州の検事局がこのほど、ブレバード郡消防局に勤務するケネス・ヘイレンベック（35）という救急隊員の驚くような姿を捉えた映像を公開した。事件が起きたのは今年3月。ジェームス・スレーターさん（49）というガン患者が体調不良を訴え、ヘイレンベックは同僚隊員とともに出動。救急車でロックレッジにある「Weustoff Medical Center」までの搬送にあたった。

しかし病院側は空きベッドがないと説明。次なる医療施設へと移動するものと考えたスレーターさんはストレッチャーから降りるのを拒否した。するとなぜかヘイレンベックは激怒。大声で何やら罵るとストレッチャーの片側を掴んで持ち上げ、まるで捨てるかのようにスレーターさんの体を床に向かって乱暴に転がした。当然ながらカウンターの職員が警察に通報し、ヘイレンベックは逮捕とともに懲戒免職となったという。

当初は高齢者や障がい者への虐待同等として重い罪に問われるとみられたヘイレンベックだが、スレーターさんの病状について、自力で歩けないほど衰弱しているとは言い難い状態であったことが判明。結局ヘイレンベックの扱いは軽犯罪へと変わった。これが不服だというスレーターさんは弁護士を雇って対決の構えすら見せている。
（TechinsightJapan編集部　Joy横手）