アジア発!Breaking News

writer : katakura

【アジア発!Breaking News】救急入口前で交通事故。病院スタッフは「雨が降ってるから」と応急処置を拒否。(台湾)

22日午後、病院の救急入口前で自動車が原付バイクに衝突し、バイクを運転していた75歳の男性がケガをする事故が起きた。事故を目撃した男性が救急室に助けを求めたところ、「担架がないし、雨が降っているから」と応急処置を拒否されたという。『蘋果日報』が報じた。

事故があったのは、高雄市にある高雄医学大学附属中和記念病院の救急入口前。救急室入口からは約30メートルの距離だった。当時の状況について、救急室向かいにあるドリンク店の男性店員は「“ボーン”という大きな音が聞こえて外を見ると、バイクに乗っていた男性が頭から血を流して倒れていたと」話す。店員は同僚に119番通報を頼むと、男性のもとに駆け寄り雨に濡れないようにと傘をさした。通りがかりの数人も同じように傘をさして、助けを待つ男性を励ましていたという。

男性店員は、救急室の前で事故が起きたのに病院のスタッフが出てこないことに気付き、救急室へ向かった。そこには7、8人の看護師がいたが、「救急車の要請はしました。救急用担架がないし、雨が降っているので対応できません」と応急処置を断られたそうだ。

119番通報から数分後に救急車が到着。止血などの処置後、男性は病院へ運ばれた。男性は脚を骨折、脳出血を起こしていたが命に別状はないということだ。だが現地メディアの取材に対し、男性店員は「通りがかりの人が駆け寄っているというのに、訓練を受けているはずの医療スタッフが何もしないなんて」と憤りを隠さない。

病院側は事故当時の救急室の対応に不適切な部分があったことを認めており、「看護師らは自主的に応急処置をするべきだった」とコメントし、今後の対応についてのあり方を検討、また指導を強化していく考えを明らかにしている。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)